King & Prince・高橋海人と中村倫也がW主演を務める金曜ドラマ「DOPE 麻薬取締部特捜課」(毎週金曜夜10:00-10:54、TBS系)が現在放送中。同作は、近未来の日本を舞台に、犯人の更生を願う真っすぐな新人と、型破りな麻薬取締官の正反対バディが、謎に包まれた新型ドラッグ「DOPE」によって巻き起こる不可解な事件の解決に挑んでいく“麻取アクション・エンターテインメント”。 高橋は新人麻薬取締官の才木優人を、中村は才木の教育係・陣内鉄平を演じている。その他、「麻薬取締部特殊捜査課」のメンバーとして、新木優子、三浦誠己、豊田裕大、フェルナンデス直行、熊井啓太、敵対する犯罪シンジケート「白鴉」のメンバーとして、井浦新、久間田琳加らが出演中。 このたび、WEBザテレビジョンでは、同作でTBSドラマ初主演を務める高橋にインタビューを実施。自身が演じる役柄についての思いや共演者の印象などを聞いた。 ■才木優人というキャラクターに「自分もちょっと近いところがある」 ――才木優人という役柄についての思いをお聞かせください。 才木は、異能力者として24年間生きてきた中で、つらいことや気持ちよくない思いをたくさんしてきたので、人に優しく生きようという信念があります。 なので、そういう優しいところや真っすぐなところ、信念があるからこその「ドーパー(DOPE服用者)は殺さずに逮捕して更生させるべきだ」という譲れない思い、頑固さに、自分もちょっと近いところがあるなと思いました。特に後半の方は、頑固さが強く出てきます。 ――特に印象に残っている撮影エピソードはありますか? 才木は、僕が今まで演じた役の中では一番真面目というか、仕事は仕事、家は家と自分をちゃんと住み分けしている人だと思うんですけど、我慢できずに泣くシーンもたくさんあって。 あるシーンで、演じるとかそういう感覚ではなくて、涙がどんどん出てきて止まらなくて、自分でもびっくりして、“あぁ、すげぇ。なんだこれ…”となった瞬間がありました。 「役が抜けない」といった表現があるじゃないですか。僕、あまりそういうのは分からなかったんですけど、カットがかかった後も涙が出てきて、だいぶ引っ張られたシーンでした。 そのシーンがどんなシーンになっているのか自分でも気になっていて、早く見たいなと思っているところではあるんですけど、どのシーンかを言うと自分でハードルを上げ過ぎな気もするので、言わないようにしておきます(笑)。 ■VFXに頼り切らないアクションシーン「どこまで自分たちで作り込めるか」 ――VFXを駆使したアクションシーンが見どころの一つですが、実際に完成したアクションシーンをご覧になっていかがでしたか? VFXを使いながらも、それに頼り切らないで、どこまで自分たちで作り込めるかというところも現場の課題の一つでした。その成果もあって、CGが必ず入ってくるというわけでもなく、例えば、第3話の陣内と才木が戦うところはCGを使わないで撮影したりと、すごく幅のあるアクションシーンをお見せできているのではないかなと思っています。 ――放送が始まってからの反響についてはどのように感じていますか? うちの事務所でも見てくれている人がいて、この間も、Snow Manの深澤辰哉くんと音楽番組で共演したときに「ドラマ見てるよ」と言われました。 放送中にSNSを確認していると、特撮が好きな方や異能力が好きな方など、自分が今までなかなか触れ合う機会のなかった人たちも見てくれているのが分かって、すごくうれしいです。幅広い人たちが見てくれているんだなと思うと、ドラマの持つ力はすごいなと感じます。 ■中村倫也に抱く尊敬の念「深みやどっしりとした重みが、芯にある」 ――共に主演を務める中村倫也さんの印象をお聞かせください。 倫也さんが出てきたシーンが終わると、また早く出てきてほしいと思うし、どんなことをするのか気になってしまうんです。毎回癖になる要素がちゃんと残っているのは、倫也さんの技術ももちろんですが、その奥にある倫也さん自身の魅力がにじみ出ているからなのかなと思っています。 倫也さんは、「今までひねくれた人生を歩んできた」とおっしゃっていたんですけど、僕的には、いろいろと経験を積まれる中で、自分の中の攻略本を作ってのし上がってきた人なのかなと思っていて。その深みやどっしりとした重みが、芯にあるのだと思っています。 お芝居の世界って、いろいろな魅力があるじゃないですか。演じない良さだったり、演じる良さだったり、技術を詰め込んだ良さだったり、そうじゃない良さだったり。でも、全てに通ずるのは、やっぱり人としての魅力なのかなと、すごく考えさせられました。 倫也さんと一緒にお芝居をさせていただいて、経験値が上がった感じがします。倫也さんの視野の広さや、お芝居を正解に導く速さがすごいなと思っていて、毎日背中を見て学んでいました。部活の憧れの先輩みたいな感じで、要素をどれだけ盗めるかと、ずっと考えていました。 ――共演者の皆さんと仲が深まったエピソードがあれば教えてください。 自然と打ち解けていく感じだったんですけど、それぞれの楽屋にいるというよりは、前室でみんなでワイワイ話したり、自分が映らないカットでもその場に残っている人がいたり、それぞれがこの現場が好きなんだなという感覚が強かったです。 みんなでご飯に行ったりもしました。倫也さんが引っ張ってくれる存在で、みんなそこに甘えつつ、バランスが良かったのかなと勝手に思っています。 ■挿入歌に注いだ情熱「自分たちからプレゼンして進んでいった」 ――挿入歌であるKing & Princeの新曲「I Know」についての思い入れをお聞かせください。 基本的に、ドラマや映画とのタイアップは、ある程度要素をいただいて、オーダーを受けてから楽曲を作り込んでいく制作過程なんですけど、今回は「DOPE―」に出させてもらうと聞いたときから、King & Princeチームで「こういう要素が出てくるんじゃないか」と予想して、あらかじめ曲を作って、曲ができた状態で自分たちからプレゼンして進んでいったんです。そういうやり方は初めてでした。 King & Princeの要素を残したり、ドラマの要素に寄せたり、バランスって難しいじゃないですか。そこが今回めちゃくちゃうまいことできたなと思っていて。毎回本編を見ていても、使ってもらう箇所がどんどん変わっていったり、いろいろと遊んでもらえているというのもあって、自分たち的にはそれも大きな発見でした。 ドラマを見てくれる人もそうですけど、どちらかというと「DOPE―」の現場のスタッフが、「I Know」を愛してくれているというところが、今回は成果として大きかったなと思っています。やっぱり、まずはチームのみんなに愛してもらえていないと、世間に愛してもらうところまではだいぶ遠いなと思うので、いろいろなことがマッチしたのがうれしいなと思います。 ――今作は、ご自身にとってどんな作品になりましたか? 一つ殻が破れた感じはしますね。あまり大層なことは言えないんですけど、どちらかというとこれまでは、人間くさいというか、生々しい演技と言っていただくことが多くて。今作で求められているお芝居のスタイルは、今まであまりやってこなかった気がしています。 役をしっかり作り込んだ上で、そこにどんどんエッセンスを盛り込んでいくお芝居のし方は初めてだったし、その中で、倫也さんをはじめとするすごい方たちから技術を盗んで、どんどん才木を成長させていけたかと思うと、今回は殻を破れた作品でもあり、幅を広げることができたと思えるような作品です。 ――最後に、終盤に向けての見どころと視聴者へのメッセージをお願いします。 才木が特捜課に入ってもみくちゃにされるところから始まって、陣内の家族についての話が描かれ、ここから「DOPE」というものにどんどんフォーカスが当たっていきます。 才木が特捜課に入ることは偶然だったのか、必然だったのか、そういうところもだんだんと明らかになっていって、才木が変わっていくところも見どころになると思いますし、いろいろな出来事を踏まえて、陣内と才木がどういった形でバディになっていくのかにもご注目ください。 あとは、どんどん激しくなっていくアクションが見どころです。少年漫画だったり、特撮ヒーローものだったり、魔法の世界だったり、ファンタジーの世界だったり。いろいろなロマンが詰め込まれた作品なので、皆さんにそれぞれの楽しみ方をしていただけたら一番いいなと思っています。最後まで目を離さずに見てほしいです。 ※高橋海人の「高」は正しくは「はしご高」