新潟県佐渡市に住む60代男性が、およそ2600万円を騙し取られる特殊詐欺被害に遭っていたことが分かりました。男性は、相手側から“警察の連絡先”として、携帯の番号を教えられて電話を掛けたところ、“偽の警察官”が出て、信じてしまったということで、警察が注意するよう呼び掛けています。 ■「覚えがなければ警察に届け出を」 警察によりますと、7月8日、男性の自宅の固定電話に携帯電話会社の担当者をかたる女から電話がありました。 女は「あなたの免許証を使って3月に携帯が契約されたが未払いになっている」「覚えがなければ警察に不正契約の届け出をしてもらいたい」などと話し、“警察の連絡先”として携帯の番号を伝えられたということです。 ■携帯にかけると『福岡中央署』の“偽警察官”が… 話を信じた男性は、その番号にかけたところ、『福岡中央警察署』の警察官をかたる男が電話に出ました。 男は「あなたの免許証が偽造されていて、キャッシュカードも偽造されている。あなたの口座が犯罪に使われていて、あなたが犯罪に関わった疑いがあるので捜査する」などと話しました。 さらに“通信アプリ”をスマホに入れるよう指示してきたということです。 ■「犯罪に関与していないことを証明するため、資金を新しい口座に…」 通信アプリを通じて“偽警察官”とのやり取りが始まり、男から「あなた名義の口座に金が振り込まれている。あなたは犯罪に関わった疑いが掛かっているため、検事の取り調べを受けてもらう」などと言われた男性。 さらに、検事をかたる男から「あなたには差押許可状と逮捕状が出ている。あなたには犯罪に関与していないことを証明するため資金を新しい口座に移し、暗号資産に替えて金融庁で管理して調査する」などと言われたということです。 ■実在する『福岡中央署』に電話を掛けると… その後、金融庁職員をかたる男からも連絡があり、男性は指定された金融機関に自分名義の口座を開設。7月下旬から8月4日にかけて4回にわたり、合わせておよそ2600万円を送金したうえ、暗号資産を購入し、指定されたアドレスに送信したということです。 ただ、男性は不審に思い、送信後に『福岡中央警察署』の電話番号に電話を掛けました。そこで、詐欺の被害に遭ったことが分かったということです。