ウクライナ議会の元議長が射殺される、容疑者拘束と大統領発表

ウクライナ最高会議(議会)の元議長、アンドリー・パルビー議員(54)が8月30日、銃撃されて死亡した。ウォロディミル・ゼレンスキー大統領は9月1日、容疑者が逮捕されたと発表した。 パルビー議員は、西部リヴィウで宅配業者を装った人物に襲撃された。この事件を受けて、当局が容疑者の行方を追っていた。 パルビー議員は、「マイダン革命」と呼ばれる2014年の大規模抗議運動で頭角を現した。親欧州路線を掲げた「マイダン革命」は、親ロシア派のヴィクトル・ヤヌコビッチ前大統領を退陣に追い込んだ。 パルビー氏は「マイダン革命」において、首都キーウ中心部に設置された大規模なテント村を守る「自衛部隊」の編成を担った。 その後、2016年4月から2019年8月までウクライナ最高会議の議長を務めた。 パルビー議員の殺害について、ウクライナのイホル・クリメンコ内相は1日未明、西部フメリニツキー州で容疑者を拘束したと発表した。 内相はさらに、初期段階にある捜査の結果、パルビー氏の殺害は「綿密に準備されていた」ことが判明したと説明。パルビー氏の移動予定や経路が把握されていたほか、実行犯の逃走方法も計画されていたという。 クリメンコ内相はまた、ウクライナ国家警察が後ほど詳細を発表する予定だと付け加えた。 ゼレンスキー大統領はソーシャルメディアへの投稿で、ルスラン・クラフチェンコ検事総長と話したことを明らかにし、容疑者がすでに供述を始めていると述べた。 「現在、事件の全容解明に向けた緊急の捜査活動が進められている」とゼレンスキー氏は述べ、捜査当局と検察当局が「昼夜を問わず尽力している」と、感謝した。 未検証の映像には、宅配業者の制服を着ているように見える男が路上でパルビー氏に近づき、背後から銃を構える様子が映っている。 リヴィウ警察のオレクサンドル・シュリャホフスキー本部長は30日の記者会見で、犯人が「銃器で約8発を発砲した」と述べた。 ウクライナの捜査関係者はBBCに、犯人は宅配会社「グローヴォ」の作業員を装っていたと明らかにした。同社は、この犯罪に「深く衝撃を受けている」とし、捜査に全面協力すると表明している。 (英語記事 Arrest after fatal shooting of Ukrainian politician Andriy Parubiy)

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