サントリーホールディングス(HD)が2日、都内で緊急記者会見を行い、新浪剛史会長(66)が1日付で辞任したことを発表した。 捜査関係者によると、同氏をめぐっては、海外から、違法な成分が含まれたサプリメントを輸入した疑いがあるとして、福岡県警が8月末に自宅の家宅捜索を行っていた。7月に違法薬物事件で逮捕された男の捜査の関連で、新浪氏が関係先として浮上。本人は関与を否定し、違法薬物も見つかっていないという。捜査関係者は「尿検査も行われ、シロだったと聞いている」と話している。 サントリーHDは「同氏からは、適法であるとの認識の下に購入したとされるサプリメントに関して、捜査が実施されたとの説明がありました」と経緯を説明。本人は関与を否定しており、違法薬物も見つかっていない状況だが、同社は違法薬物の疑惑がかけられたこと自体を問題視。関係者は「グループ会社サントリーウエルネスではサプリメントも扱っている。捜査中の事案でシロだったとしても、グループトップがサプリメントで疑いが出ること自体が問題。サプリだったことでさらに社内では厳しい目が向けられたのは間違いないです」と話した。 この日発表した同社の書面コメントにも「新浪氏の辞任の理由」という項目の最後に「なお、同氏が購入したサプリメントは当社グループ商品ではありません」とわざわざ記されている。 山田賢治副社長は緊急会見で「我々としましては、捜査というものは警察の方でしているものであり、仮に黒だからやめていただくという観点で今回考えたわけではございません。サントリーの代表取締役会長として、そのような疑いが生じるということ自体、求められる資質を欠くという風に指摘をせざるを得ない」と述べた。