サントリーホールディングス(HD)会長を1日に辞任した経済同友会代表幹事の新浪剛史氏が3日、都内で定例会見を行った。購入したサプリメントが違法の疑いがあるとして福岡県警の捜査を受けたことについて「私の不注意であり、社会をお騒がせしたことをおわびする」と謝罪。一方で「法を犯しておらず潔白だ」と主張した。代表幹事の活動は当面自粛した上で、進退は同友会に委ねる。政府の経済財政諮問会議の民間議員を続けるかどうかは「政府に判断を委ねたい」と述べた。 新浪氏は4月の米国出張時にサプリを購入。「出張が多く、時差ぼけが多いため」と説明した。約3年前に知り合った米ニューヨーク在住の知人女性が健康に詳しく、勧められるままに「適法な商品と認識してCBDサプリメントを買った」と明かした。大麻草由来のCBD(カンナビジオール)はリラックス効果があるとされ、市場が急速に拡大。日本でも規制はされていないが、日本の類似商品と比べ「圧倒的に安い」という。米国から持ち帰ろうとしたが、ドバイ経由のインド出張だったため、女性から「ドバイなどでは法的に持ち込むのが難しい」と忠告され、持ち帰ることをやめたという。 その後、知人女性が来日時にサプリを持ち込み、新浪氏の自宅に郵送した。ただ、これは「受け取っていない」と主張。「送り主がよく分からない場合は廃棄する」と家族と取り決めており、家族が廃棄したとみられる。 一方で知人女性は8月、福岡在住の弟を経由して新浪氏にサプリを送るよう手配したが、福岡県警が弟を逮捕した。県警の捜査で、サプリから有害な大麻由来成分THC(テトラヒドロカンナビノール)が検出され、新浪氏も家宅捜索を受ける事態に。しかし新浪氏は2回目の送付については知らず、「輸入も指示していない。(4月に購入したものと)同一であるかも分からない」と主張した。 ただ、疑問点は多く残る。なぜ、女性は2回に分けてサプリを送付したのか。税関で通らない可能性があるサプリになぜそこまで固執したのか。会長職の辞任については「サントリーに迷惑をかけてはいけないと思い、辞することにした」と、納得しているという。