ワシントンDC、州兵派遣でトランプ政権を提訴

(CNN) 米首都ワシントン(コロンビア特別区)のシュワルブ司法長官は4日、自治体トップの同意なくワシントンに州兵を派遣したのは違法だとして、トランプ政権を提訴した。 通常、軍隊が警察として活動することは連邦法で禁じられているにもかかわらず、政権に命じられて派遣された州兵はパトロールや捜索、逮捕などを行っていると主張している。 また、州兵の派遣はワシントンの自治を損ない、住民と法執行機関の信頼関係にヒビを入れ、観光分野に悪影響を及ぼすなど地域経済に損害をもたらしているとも指摘している。 シュワルブ氏は声明で「州兵を派遣して法執行任務を担わせることは不必要で歓迎されないだけでなく、ワシントンと住民にとって危険かつ有害だ」と述べた。また、他の都市でも起こりうると指摘し、「連邦政府のこの違法行為に終止符を打つべく訴訟を起こした」と説明した。 トランプ大統領は先月11日、犯罪対策の一環としてワシントンに州兵を派遣し、連邦法執行機関の職員を増やした。ワシントンの警察の掌握も試みた。 派遣された州兵は武器の携行を命じられている。2日時点でワシントンで活動している州兵は2290人。 ワシントンのバウザー市長は記者会見で今回の訴訟を支持しない考えを示した。バウザー氏は州兵派遣を批判しているものの、連邦政府の干渉を制限しようと政権に対して融和的なアプローチを取っている。 一方、ホワイトハウスは、訴訟は首都の犯罪を取り締まろうとするトランプ大統領の取り組みを損なおうとするものだと批判した。 トランプ氏は時期は明言していないもののイリノイ州シカゴにも州兵を派遣すると公言している。

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