「危ない!」と叫んだ次の瞬間、車は小学生の列に突っ込んだ。大阪市西成区の路上で小学生7人がはねられ重軽傷を負った事件で、現場で容疑者を確保した府警の元警察官の男性(70)が5日までに取材に応じ「別の小学生が巻き込まれる前に早く捕まえないといけないと思った」と、緊迫した当時を振り返った。 事件は1日午後1時35分ごろに発生。東京都東村山市の無職矢沢勇希容疑者(28)=殺人未遂容疑で現行犯逮捕=が運転する車が、大阪市立千本小に通う小学2、3年の7人をはね、2人が重傷、5人が軽傷を負った。 男性は府警退職後、約10年前から学校支援員として大阪市の小中学校で生活指導に携わってきた。事件当日は、千本小の校門付近で児童らの下校を見守っていた。 視界に入ったのはふらつきながら近づいてくる白い車。男性の前を通り過ぎ、道路の右端を歩く小学生の列に減速せずに向かう。「ひこうとしている」。そう直感し、子どもたちに向かって「右に寄れ」と声を張り上げたが、直後にどかんという衝突音が響き、子どもの泣き声と叫び声が聞こえた。