【社説】捜査・裁判を拒否しながら「責任は私に問え」という尹前大統領

尹錫悦(ユン・ソクヨル)前大統領が12・3内乱と関連し、「すべての責任は軍統帥権者だった私に問い、軍人に対するすべての捜査と裁判を止め、起訴された軍人に対しては公訴を取り消すべきだ」と述べたという。依然として非常戒厳の違憲・不法性を否定し、捜査・裁判まで拒否しているのに、何の責任を負うというのか、全くつじつまが合わない詭弁だ。 尹前大統領の弁護を担当しているソン・ジンホ弁護士は2日、「拘束された軍人は言うまでもなく、在宅起訴され裁判を受けている軍人とその家族も、心情はいかばかりか」、「非武装で2時間にも満たない時間に上官の命令に従って機動しただけの軍人を内乱勢力に仕立てている反国家勢力に、憤りをこらえることができない」などの尹前大統領の接見時の発言をSNSを通じて伝えた。軍統帥権者として違憲・不法な非常戒厳の宣布で軍を内乱に動員し、数多くの軍人の人生を壊しておきながら、今さら軍人を心配するふりをしているとは、卑劣極まりない。「国会から議員を引きずり出せ」など不当な命令を受けたという軍人の良心告白を前にして、厚かましくも嘘で一貫していた尹前大統領ではないか。内乱重要任務従事などの疑いで裁判を受けているクァク・チョングン前特殊戦司令官は「その日の真実を隠して私と部下を嘘つき呼ばわりするのは、大統領の指示に従った軍人を二度殺すこと」だと述べた。尹前大統領の発言は裁判を通じて法的責任を負うという良心的軍人たちを蔑み、「三度殺す」ことに他ならない。 むしろ、自分の過ちを潔く認め、自分の命令に従った軍人の善処を訴えるなら、一抹の真摯さを認めることができるだろう。しかし、尹前大統領は内乱容疑の裁判に6回も連続して出席していない。取り調べのための拘引にも応じず、裁判所が発行した逮捕状の執行にもかかわらず、下着姿で抵抗する醜態をさらした。拘置所では休日と平日の日課時間以後、過度な接見など様々な特恵を享受してきた。徹底的に責任を回避し続けておきながら「すべての責任は私に問うてほしい」とは、開いた口が塞がらない。尹前大統領が心から軍の名誉を尊重し、裁判を受ける軍人を心配しているのなら、まず自分の内乱容疑を告白して謝罪しなければならない。捜査と裁判に忠実に臨み、応分の処罰を受け入れるのが軍統帥権を誤用した責任を負う最小限の姿勢だ。尹前大統領の現在の言動は、軍の名誉を再び汚すだけだ。 (お問い合わせ [email protected] )

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