ことし5月、大阪市西成区で小学生らを車ではねて殺害しようとしたとして逮捕された男について、大阪地検は5日、殺人未遂の罪で起訴しました。男は警察の調べに「別の小学校でも子どもを狙っていた」という趣旨の供述をしていたということです。 起訴状などによりますと、殺人未遂の罪で起訴された東京都東村山市の無職・矢沢勇希被告(29)は、ことし5月、大阪市西成区で下校中の小学生の児童8人をレンタカーではねて殺害しようとしたうえ、その内7人を車を衝突させ転倒させるなどし重軽傷を負わせた罪に問われています。 矢沢被告は、その場に居合わせた大阪府警の元警察官で学校支援員の男性に現行犯逮捕され、警察の調べに対し、「全てが嫌になったから、人を殺そうとして、乗っていた車で突っ込み、数人の小学生をひき殺そうとした」と容疑を認めていました。 その後の捜査関係者への取材で、矢沢被告が「別の小学校でも子どもを狙っていた」という趣旨の話をしていることが新たに分かりました。 事件前には、矢沢被告が乗ったとみられるレンタカーが大阪市東住吉区の別の小学校の近くを走る様子が防犯カメラに映っていて、矢沢被告が襲う小学校を物色していた可能性もあるとみられています。 矢沢被告は、放射線技師として東京都内で働いていましたが、4月下旬に自主退職していて、父親によりますと、近年、精神状態が不安定で、去年1月ごろには自殺を図っていたということです。 大阪地検は今月1日まで3か月間、犯行時の精神状態などを見極めるための鑑定留置を行っていましたが、刑事責任を問えると判断し起訴したということです。