札幌市で男性が行方不明になり1か月あまりが経ちました。 ・現場に居合わせた男性 「この辺(肩)から血は出ていたけど最後の最後まで(大上容疑者が)包丁を持っているとはわからなかった」 行方がわからない西村隆行さん、55歳。 8月2日、札幌市白石区の路上で刃物で切り付けられました。 ・現場に居合わせた男性 「何かを取り上げようとしたときに(西村さんの肩から)血が出て、それで初めて包丁だってわかった」 傷害の疑いで逮捕されたのが、会社役員の大上文彦容疑者49歳でした。 ・馬場佑里香記者(8月札幌白石警察署) 「大上容疑者を乗せた車が、札幌地検に送られました」 2人の間に一体、何があったのか。 現場に居合わせた男性によると、大上容疑者が女性を強引に連れて行こうと「女を連れて行く!」「てめえコラ!」などと怒鳴りながら押しかけます。 女性は、助けを求めようと西村さんに電話。 駆け付けた西村さんは、大上容疑者と外に出て口論に。 直後、大上容疑者が刃物で西村さんを切りつけました。 ・馬場佑里香記者 「大上容疑者は『病院に連れて行く』と言って西村さんを車に乗せたあと、現場から立ち去りました。しかし、約1か月が経った今も西村さんの行方はわかっていません」 大上容疑者は、これまでの調べに対し、傷害容疑についておおむね認め、西村さんの消息についても話をしているということです。 しかし、その真偽はわかっておらず警察が確認を急いでいます。 事件後、大上容疑者と何度か電話で話したという西村さんの婚約者は… ・西村さんの婚約者 「1回目の電話では、腕を刺して結構血が出たから、包帯で手当てして、病院に連れて行ってそれから船に乗せたと」 その後も大上容疑者は、西村さんの消息について毎回異なる説明をし、居場所は明かさなかったといいます。 ・西村さんの婚約者 「もう何も考えられないですね。今何やっているんだろう、かわいそうだなって…安心して、帰ってこられるようにずっと部屋で待ってなきゃって思って」 大上容疑者の勾留満期を迎えた5日、新たな動きがありました。 警察は、西村さんに2025年6月にも傷害を負わせた疑いで、大上容疑者を再逮捕したのです。 事件捜査を指揮してきた元検事は、最悪の事態を想定した捜査が行われているのではないかと指摘します。 ・元検事 中村浩士弁護士 「時間を稼ぎながら遺体の発見、あるいは被害者の生存可能性をつぶす捜査にあてる時間を確保していくことは捜査機関として考えておかしくない。かなり処分に迷う瀬戸際で苦しい捜査を強いられていることは予想される」 事件の全容解明のためには、より時間をかけた緻密な捜査が必要になると指摘します。 ・元検事 中村浩士弁護士 「相当に時間がかかりますね。殺人として起訴するためには遺体が発見されるか、されないとすれば死亡していておかしくないというある程度の期間の経過が必須になってくる」 「被害者の立ち寄り先や関係者をあたって緻密に被害者の生存可能性をつぶしていく立証。殺人被害にあったとすれば殺害に関与したのは容疑者以外には存在しないという、他の犯人の可能性をつぶす捜査を両面でやらなければいけない」 西村さんの最後の目撃から5日で35日。今も居場所に関する有力な情報は出てきていません。