英国を拠点とする英国ビルマ・ロヒンギャ協会(BROUK)はこのほど、アルゼンチン・ブエノスアイレスの連邦裁判所に対し、ミャンマー西部ラカイン州のイスラム教徒少数民族ロヒンギャのジェノサイド(大量虐殺)を巡る訴訟の対象を、同州の少数民族武装勢力アラカン軍(AA)にも拡大するよう正式に申し立てた。 BROUKは3日付の声明で、AAのロヒンギャに対する大量虐殺や性的暴行、虐待、拷問、人為的な飢餓が過去1年間で激化しており、戦争犯罪や人道に対する罪に該当する水準に達していると主張。トゥワンムラットナイン司令官やニョ・トゥワン・アウン副司令官をはじめとするAA幹部に対する逮捕状の発行を求めたと説明した。 BROUKのトゥンキン会長は、「ロヒンギャは国軍だけでなく、AAからも同様の迫害を受けており、AAによる暴力行為はもはや看過できない」と訴えた。 国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)も2日に発表した報告書で、AAの違法行為を指摘。同軍が2024年5月2日、ブティダウン郡区の村落で数百人のロヒンギャを虐殺した事件に言及し、強く批判した。 ブエノスアイレス連邦裁判所は21年、BROUKの訴えを受け、ロヒンギャの大量虐殺を巡る普遍的管轄権に基づく訴訟手続きを開始。今年5月には、国軍トップのミンアウンフライン総司令官や国家顧問だったアウンサンスーチー氏ら25人に対する逮捕状の発行を決定している。