2歳長女死亡、体重は6㌔ 逮捕の両親 「食事与えていなかった」

2歳の長女を虐待して死なせたとして、和歌山県警は26日、和歌山県紀の川市西井阪の建設業、平晴流(はる)(26)と妻で無職の菜々美(26)両容疑者を保護責任者遺棄致死の疑いで逮捕した。長女の体重は2歳児の平均の半分ほどしかなく、極度に痩せ細っていた。県警は2人が身体的な暴行に加え、食事を与えないネグレクト(育児放棄)もしていたとみて詳しい経緯を調べる。 逮捕容疑は以前住んでいた和歌山市のアパートで2024年秋ごろから25年7月上旬にかけて、長女の流菜(るな)ちゃん(当時2歳)の顔や頭を殴るなどの暴行を加え、医師による治療などを受けさせずに7月10日に死亡させたとしている。2人とも「その通り間違いありません」などと容疑を認めているという。 県警捜査1課によると、流菜ちゃんの死因は全身打撲による外傷性ショックだった。司法解剖の結果、あごを骨折しており、腹部に外部から強い衝撃を加えられたような痕も確認された。 体重は2歳児の平均(11・5キロ)の半分程度の約6キロしかなかった。容疑者らは長期間にわたって十分な食事を与えていなかったという趣旨の供述をしている。 流菜ちゃんは和歌山市の乳幼児健診を生後4カ月時(23年9月)の受診を最後に受けていなかった。このため市が24年に2回、自宅を訪問して発育状況を確かめていた。訪問時に異変はみられなかったという。 流菜ちゃんは7月10日朝、布団の上で嘔吐(おうと)し、その後に容体が急変。菜々美容疑者がこの日の午前7時すぎ、「子どもが熱中症で息をしていない」と119番していた。流菜ちゃんは心肺停止状態で救急搬送されたが、死亡が確認された。 流菜ちゃんのあごの骨折について、菜々美容疑者は「1、2週間前にジャングルジムから落ちた」と説明。しかし病院から連絡を受けた県警は、虐待の可能性があるとみて捜査を進めていた。 両容疑者は流菜ちゃんのほか、流菜ちゃんの兄(4)と計4人で暮らしていた。兄にけがや体調不良はなかった。児童相談所には流菜ちゃんに関する虐待などの相談は寄せられていなかったという。【恒成晃徳、藤木俊治】

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