東京都江戸川区の路上で9月、現金約5千万円を持った男性が顔にスプレーをかけられた事件があり、警視庁は、20～30代の男5人を強盗致傷の疑いで逮捕し、3日に発表した。5人は匿名性の高い通信アプリのアカウント名で呼び合うなどしており、同庁は匿名・流動型犯罪グループとみている。 捜査1課によると、逮捕されたのは内装業里川玲（22）=奈良県川西町=、会社員佐伯流星（21）=同=、職業不詳花田水希（30）=大阪府和泉市=、同山中貴博（39）=住居不詳=、同南智貴（22）=同=の5容疑者。里川容疑者と佐伯容疑者は容疑を認め、花田容疑者と山中容疑者は否認し、南容疑者は黙秘しているという。 逮捕容疑は、共謀して9月19日午前10時20分ごろ、江戸川区西瑞江4丁目の路上で、人材派遣会社長の30代男性に催涙スプレーのようなものをかけて紙袋に入った現金5300万円を奪おうとし、目や皮膚にけがを負わせたというもの。抵抗されたため、何も奪わずに立ち去ったという。 同課は、容疑者らの供述などから、花田、山中の両容疑者が現場の指示役、里川、佐伯の両容疑者が男性を襲う役、南容疑者が奪った現金の運び役だったとみている。 5人は逃走したが、里川容疑者が当日夜に奈良県内の警察署に自首した。里川容疑者の供述や防犯カメラ映像などからほかの4人の関与が明らかになったという。5人は被害者と面識がなく、匿名性の高い通信アプリで指示を受けていたといい、同課は首謀者がほかにいるとみて調べている。（長妻昭明）