日本サッカー協会は7日、影山雅永技術委員長(58)との契約解除を発表した。協会によれば、今月2日にフランス・パリへ向かう航空機内で児童ポルノを閲覧した疑いで逮捕され、有罪判決を受けたという。都内で緊急会見を行った湯川和之専務理事は「協会として大変遺憾なことだと考えている。ご心配、お騒がせして深くおわび申し上げる」と謝罪。また、宮本恒靖会長は「今回の件はサッカー界として許容できるものではない。これを契機に協会のガバナンス、コンプライアンス体制を改めて見直し、徹底的に強化改善を覚悟を持って図っていく」とコメントを発表した。 影山氏はU-20W杯視察でチリに向かっていたが、3日に搭乗予定だったパリ発チリ行きの飛行機に乗っていないことが判明。本人と連絡が取れなかったが、協会は5日に関係各所を通じ、パリで勾留されていることを把握した。 フランス紙「ル・パリジャン」電子版などによると、機内で「10歳くらいの少女」の画像をタブレット端末で閲覧しているところを客室乗務員に見つかった。降機後に拘束され、児童ポルノ輸入・所持の罪で執行猶予付きの懲役18カ月、罰金5000ユーロ(約88万円)の判決を受けた。 影山氏は帰国しておらず、後任や代理も未定。容疑の詳細や本人の認否については説明を控えたが、理事会で解任を決議したことは本人に伝えたといい、湯川専務理事は「お騒がせしたことに(本人から)謝罪を受けたと報告は受けている」と明かした。 影山氏は反町康治氏の後任として昨年4月に技術委員長に就任。W杯イヤーを翌年に控える中で日本代表の強化もつかさどるトップの不祥事に激震が走った。 ◆影山 雅永(かげやま・まさなが)1967年5月23日、福島県出身。現役時代はDF。磐城高、筑波大を経て古河電工(現千葉)、市原、浦和、JFL仙台でプレーし96年に引退。引退後は広島コーチ、マカオ代表監督、J2岡山監督、U-20日本代表監督などを歴任。JFAユース育成ダイレクターを経て、24年4月に技術委員長に就任。