日本最大級のミステリーランキング「このミステリーがすごい!2023年版」「ミステリが読みたい 2023年版」で堂々1位を獲得した同名ベストセラー小説が、山田裕貴ら豪華キャストを迎えて実写映画化された『爆弾』が10月31日(金)より公開される。第38回フィンランド・ヘルシンキ国際映画祭で世界初となるワールドプレミア上映を実施し、完売満席御礼となり、上映後にはスタンディングオベーションがわき起こった本作。10月2日開催のジャパンプレミアでついに国内もお披露目され、SNSでは、いち早く本作を目撃したファンたちから興奮冷め止まぬ声が続いている。今回は本作でリアルタイムに交錯する3つの舞台とキャラクターたちに迫る! ■爆弾の存在を予言するスズキタゴサクvs警察!心理&頭脳戦が手に汗握る“取調室” 物語の中心となるのは、酔って暴行を働き逮捕された「スズキタゴサク」と名乗る謎の中年男と警察が対峙する“取調室”。スズキを演じるのは、『あんのこと』(24)で第48回日本アカデミー賞優秀助演男優賞も受賞した個性派俳優の佐藤二朗。そんなスズキと向き合うことになる警察側にも、日本を代表する名優が勢ぞろいした。 『木の上の軍隊』や『ベートーヴェン捏造』など今年主演作が相次いで公開中の山田が主人公の交渉人・類家を、数々の映画・ドラマの名作に出演し、『新解釈・幕末伝』(12月19公開)でも佐藤と共演予定の渡部篤郎が類家の上司である清宮を、カンヌ国際映画祭でも話題を呼んだ『ナミビアの砂漠』(24)に出演し、NHK連続テレビ小説「ばけばけ」にも出演する寛一郎がスズキを見張る刑事・伊勢を演じ、取調室という小さな密室で緊迫の心理戦を繰り広げる。 取り調べの最中に「霊感だけは自信がありまして。10時ぴったり、秋葉原でなにかあります」とつぶやくスズキ。するとその予言どおり秋葉原のビルが爆発。重大事件の捜査を担当する警視庁捜査一課の刑事、類家と清宮が乗り出し、取り調べは次第に爆弾の在りかに関する謎解きゲームと化していく。スズキが仕掛けるゲームに粛々と付き合い、対話を深めながら情報を引き出そうと試みる清宮、ギラリとした鋭い観察眼と推理力で真っ向から対峙する類家、見張り役としてスズキを観察しながら、その自虐的で不気味な発言に不快感をにじませる伊勢。その言葉、仕草すべてに爆発のヒントを紛れ込ませ、一人ひとりを誘惑するスズキにどんどん翻弄されていく刑事たち。スズキが仕掛ける心理&頭脳戦に類家らは勝利できるのか? ■猪突猛進と野心を武器に、巡査コンビが危険な捜査の最前線を疾走!“爆弾捜索” 取調室での緊迫のやりとりと並行して進むのが、東京中に仕掛けられた壮大な“爆弾捜索”だ。その捜索班として活躍するのが、交番勤務の巡査長の矢吹と、後輩の巡査、倖田。常に行動を共にする2人が、類家や清宮たちが導いた手がかりを頼りに、爆発の危険と隣り合わせで東京中を駆け抜ける。 倖田を演じるのは、NHK連続テレビ小説「虎に翼」で社会現象を巻き起こし、主演作『風のマジム』も公開中の伊藤沙莉。矢吹役には、TBS「ライオンの隠れ家」で自閉スペクトラム症の難役を演じ、公開中の映画『ヒックとドラゴン』では、初となるハリウッドの洋画吹替えにも挑んだ坂東龍汰。注目の若手実力派が、本作で最強のバディを体現する。 猪突猛進な倖田と、刑事昇格への野心を燃やす矢吹。2人は「有力なタレコミ」をきっかけに捜査を一気に加速させるが、やがて予期せぬ事態に直面する。果たして、爆弾のありかをすべて突き止めることができるのか? ■取調室を飛び出して、さらなる事件の真相に迫る!もう1つの“タゴサク捜査” 取調室や爆弾捜索とは別に、事件の核心に迫る動きがもうひとつ。それが、野方署の刑事、等々力による“タゴサク捜査”だ。等々力を演じるのは、NHK大河ドラマ「べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜」の好演が話題を呼び、山田主演の『ベートーヴェン捏造』、伊藤主演の『風のマジム』などでも本作キャスト陣と共演を重ねる、映画界で引っ張りだこの染谷将太。すでに実力派として評価されている染谷が、本作で新たな局面を切り拓く。 なぜかスズキに気に入られた等々力は、彼から爆発に関する予言を打ち明けられる。やがて類家と清宮に取り調べを引継ぎ、スズキの信頼を得た等々力は、彼の秘密を探るべく別行動に出る。そして捜査を進めるうちに、スズキの過去や事件の真相に近づいていく。 緊迫の取調室、東京中を駆け抜ける爆弾捜索、そして謎の男の秘密により深く迫っていくタゴサク捜査。3つの舞台が交錯しながらリアルタイムに進行し、息を飲む展開に、観る者すべてが巻き込まれていく。爆弾はどこに仕掛けられているのか?目的はなんなのか?スズキタゴサクとは一体何者なのか?刻一刻と明らかになる真相の衝撃と、同時に迫る東京の“どこか”で起こる爆発のスリル。スズキvs警察の“全員野球”による先の読めない攻防となる“極限のリアルタイムミステリー”がついに開戦する。2025年最大の話題作となる予感がする本作を、ぜひ劇場で目撃してほしい。 文/山崎伸子