警察官をかたる人物から電話で「資産を調査する」などと伝えられ、9175万円分の金塊がだまし取られる事件が9月、山梨県内で発生した。県警は新手の「特殊詐欺」事件として、警戒を強めている。 県警によると、甲斐市の80代男性の自宅に9月22日、「この電話が使えなくなる」などと音声ガイダンスによる電話があった。指示通りボタン操作したところ、関東電気通信局職員を名乗る人物に電話がつながり、さらに警察官や検事を名乗る人物が「あなたに逮捕状が出ている」「資産を調査するので預かりたい」などと誘導し、手持ちの資産を金塊に変えるよう指示。男性は言われるままに金塊を購入し、自宅のポスト下に置いたところ、何者かに奪われた。 資産を金塊に変えさせてだまし取る手口は全国で発生し、県内でもこれまで1件確認されている。県警は「警察が金塊で資産を調査することはない」として注意を呼びかけている。【杉本修作】