英国の研究で判明 「人々の反移民感情」を必要以上に煽っているモノの正体

9月13日、英国のロンドンで、極右活動家のトミー・ロビンソンが呼びかけた反移民デモに15万人以上もの人が集まった。これに対するカウンター・デモには約5000人が集まり、逮捕者や怪我人も出る事態となった。 きっかけは今年7月、難民申請者が宿泊できるエセックス州のホテルに滞在していたエチオピア出身の男が、地元の少女にキスをしようとするなどの性的暴行で有罪となったことだ。 英国のイングランドとウェールズでは、約3万人の難民申請者が、200軒ほどのホテルに滞在している。前述の事件をきっかけに、こうしたホテルの周辺で抗議デモがおこなわれた。この動きが次第に英国各地へ広がり、13日には首都での巨大な抗議デモに発展した。 子供に性加害をすることは何人であろうと許されないものであり、人々が怒りを覚えるのも不思議ではない。だが、15万人もの英国民が移民に対して「出ていけ」と声をあげるに至るまで、人々を必要以上に煽動するコンテンツが出回っていたことも事実なようだ。「インディペンデント」は次のように報じる。 「イスラム教徒を脅威として描写するAI生成画像が、英国のホテル前でおこなわれている反移民デモを煽る一因となっていることが、国会議員らが発表した調査で示唆された」 調査によって明らかになったのは、「人種差別的なステレオタイプを強化するフェイク画像」をオンラインで拡散している極右アカウントがあるということだ。それらが投稿する画像ではたとえば、イスラム教徒が銃を持っていたり、自爆ベストを着用したりしている。 また別のフェイク画像では、イングランド代表のサッカーユニフォームを着た若い女性が国会議事堂の外で泣いている様子が描かれた。イスラム教徒の男性たちが彼女を取り囲み、嘲笑したり野次ったりしている。 「AIが生成したコンテンツの増加、そして分断を助長するコンテンツに利益を与えるSNSのアルゴリズムが相まって、過激化が加速し、過激思想がより目に入りやすくなっていると研究者らは述べた」とインディペンデントは報じる。

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