斎藤元彦・兵庫県知事らの疑惑を県議会で調査していた元県議で、死亡した竹内英明さん(当時50歳)を中傷したとして、兵庫県警は9日、政治団体「NHKから国民を守る党」党首の立花孝志容疑者(58)を名誉毀損(きそん)の疑いで逮捕した。 立花党首は斎藤氏のパワハラ疑惑などについて調べる「県議会調査特別委員会(百条委)」で、斎藤氏に批判的な委員への中傷をSNSなどで繰り返してきた。昨年秋の出直し知事選では、斎藤氏の再選を支援する「2馬力選挙」を目的に立候補していた。 斎藤氏らに対する疑惑は、県幹部(死亡)が作成したとされる告発文書が発端。竹内さんと同様に百条委委員を務め、この文書作成の「黒幕」などと中傷された丸尾牧県議は立花党首の逮捕に「立花党首が発信した『デマ』の被害者の一人として、ほっとした。大きなけじめになる」と語った。 丸尾県議は立花党首に名誉を毀損(きそん)されたとして、1100万円の損害賠償を求める訴えを神戸地裁尼崎支部に起こしている。 丸尾氏は立花党首のSNSへの投稿などを振り返り、「普通に聞くとおかしいと思うことを安易に信じてしまう人がたくさんいたことが衝撃だ」と話した。【栗田亨】