娘に食事与えず虐待か 母と内縁の夫、保護責任者遺棄疑い逮捕へ

幼い娘に食事を十分に与えずネグレクト(育児放棄)をしたとして、警視庁捜査1課は11日、東京都東部に住む30代女性と、同居する20代の内縁の夫を保護責任者遺棄容疑で逮捕する。娘は体重が同年代平均の7割以下しかなく、自力で歩けないほど弱っていた。一家には小学生や中学生の子どもがおり、警視庁は、ほかの子たちも日常的に虐待を受けていた可能性があるとみて調べている。 捜査関係者によると、子どもたちは全員が女性の実子だが、今回の娘を含む複数人は内縁の夫との血縁関係はない。夫婦は10月以降、娘とは別の子どもに対する暴行容疑で既に2回逮捕され、子どもは全員が児童相談所に保護されているという。 今回、夫婦には7月中旬~8月上旬、娘に十分な食事を与えず、自力で歩けないほど衰弱していると気付きながら、医療機関に受診させるといった保護者として必要な対応をしなかった疑いがある。 これまでの調べで、娘に対するネグレクトについて、「イライラしてやった」「1日1食しかあげなかった」と供述しているという。娘の腕には、たばこの火を押しつけられたような痕もあった。 8月上旬に、夫婦がこの娘を知人宅に預けたところ、たまたま訪れた学童保育関係者が痩せ細った様子を見て虐待の可能性に気付き、児相に連絡。娘は一時保護された。 児相から通報を受けた警視庁は9月に女性宅を家宅捜索。女性のスマートフォンや自宅内に設置されていた「見守りカメラ」を押収して調べたところ、夫婦が子どもたちに暴力を振るう場面が確認されたという。 今回の事件で虐待を受けたとされる娘は1人でトイレにも行けない状態で、おむつを着けさせられていた。ある捜査関係者は「発見が遅れたら死亡していたかもしれない」と話す。 食事を十分に与えられていなかったのは、子どもの中でこの娘だけだったとみられる。子どもたちには小学生や中学生もいるが、ほとんど学校に通っていなかったという。【菅健吾、朝比奈由佳、松本ゆう雅】

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