無登録で株式の購入を勧誘したとして、福岡県警は11日、会社役員の佐藤由太容疑者(41)=東京都港区=ら3人を金融商品取引法違反(無登録)の疑いで逮捕し、発表した。県警は認否を明らかにしていない。 捜査関係者によると、佐藤容疑者はAIスマートカメラの開発などをうたう会社「メタモ」の代表を務めている。 自宅などの家宅捜索で押収した入金記録や契約書などから、グループ会社の株も含め、株取得の名目で2019年5月~22年9月に900人以上から計約110億円を集めたとみられるという。 生活経済課によると、他に逮捕されたのは、いずれも別の会社で役員の飯塚裕子(67)=長崎県佐世保市=と自称役員の越田一徳(61)=同県西海市=の両容疑者。 3人の逮捕容疑は21年1~3月、内閣総理大臣の登録を受けずに、福岡県の女性(69)など4人にメタモ社の株式取得の勧誘をしたというもの。4人は計1千万円の出資をしたという。 出資した別の男性が同年10月に大牟田署へ「メタモに出資したが連絡がつかなくなった」と相談し、発覚した。 飯塚、越田容疑者は、貸会議室で株式紹介のセミナーなどを開いて、同社やグループ会社の株式取得をするよう勧誘していたと県警はみている。 勧誘の際、「将来的に上場する」「国際企業に買収予定で数百倍にもなって利益が出る」などとうたっていたという。 メタモ社とグループ会社はいずれも未上場で、AIスマートカメラ事業の実態がなかった可能性もあり、県警は詐欺容疑も視野に捜査を進める。(杉江隼)