京都府警OBら逮捕「通帳すべて返した」 認知症支援団体で詐取容疑

認知症の人や家族を支援する法人の会員から通帳などをだまし取ったとして、京都府警は13日、この法人の理事で府警OBの竹内雅人容疑者(61)=京都市左京区=ら2人を詐欺容疑で逮捕した。女性の口座から本人の知らないうちに複数回の出金があり、府警が2人の関与を慎重に調べている。 竹内容疑者は府警を2023年3月末に退職後、別の府警OBとともに京都市内で一般社団法人「つなぎ」を設立。外出先で迷って警察に保護された高齢者を家族の代わりに迎えに行ったり、金銭管理を代行したりするサービスを手がけていた。 逮捕容疑は、知人で保険会社員の石地裕己容疑者(55)=京都市西京区=と共謀して3月、法人の会員だった市内の女性(96)に「通帳のお金をまとめた方が便利だからやってあげる」などとうそを言い、通帳やキャッシュカードなどを詐取したとしている。 2人は容疑を否認している。竹内容疑者は「(女性と)一緒に定期貯金の解約をしたが、別口座に振り替えてもらったはずだ。通帳などはすべて返した」と供述。石地容疑者も「(竹内容疑者に)口座の残高をまとめてと言われ、その通りにした」と話しているという。 府警捜査2課によると、女性は1人暮らしで、竹内容疑者が金銭管理などを担当していた。 今年6月に女性の親族から相談があり、口座からの不自然な出金が発覚。捜査関係者によると、女性の通帳でATM(現金自動受払機)から現金を引き出す竹内容疑者の様子が、防犯カメラに記録されていたという。 竹内容疑者は刑事部門で長く勤務し、金銭など他人の財産を盗む盗犯捜査を担当していた時期もあったという。【水谷怜央那、資野亮太】

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