無登録で仮想通貨を換金疑い 「相対屋」逮捕 マネロンの一環か

無登録で仮想通貨(暗号資産)を交換して現金化し、犯罪収益を隠したとして、広島県警と警察庁の合同捜査本部は25日、東京都町田市成瀬が丘1、会社役員、谷沢直樹容疑者(34)を資金決済法違反(無登録営業)と組織犯罪処罰法違反(犯罪収益等隠匿)などの疑いで逮捕した。 谷沢容疑者は特殊詐欺グループのメンバーで、マネーロンダリング(資金洗浄)の一環として、取引所を介さずに仮想通貨の換金を請け負って手数料を得る「相対屋(あいたいや)」とされる。2022年3月~25年3月に22億2000万円相当を交換したとみられる。 逮捕容疑は仲間と共謀し、24年3~10月、無登録で19回、仮想通貨を現金計約5400万円に交換したなどとしている。 また、谷沢容疑者に詐取した仮想通貨の現金化を依頼したとして、横浜市南区永田みなみ台、指定暴力団山口組系組幹部、小林雄輝容疑者(44)も詐欺と組織犯罪処罰法違反(犯罪収益等隠匿)の疑いで逮捕された。 警察庁によると、両容疑者らのグループは22年10月~23年9月、過去の詐欺被害者らをターゲットに「半額を返金する」と電話をかけ、広島など5府県の60~80代の男女5人から少なくとも1億6000万円相当を詐取したとみられる。被害金は追跡を困難にさせる「ミキシング」の手法で匿名化されていたが、警察庁サイバー特別捜査部が流れを解析した。 谷沢容疑者は、グループ内外の十数人から仮想通貨の交換を請け負い、取引額の1・5~3%を手数料として受け取り、計約4100万円の利益を得たとみられる。 両容疑者は今月、別の特殊詐欺事件で詐欺容疑で逮捕されていた。

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