全国で摘発が相次いでいる”ゾンビたばこ”をご存知でしょうか。指定薬物の「エトミデート」をリキッドにして電子タバコで使用するケースが多く、沖縄県を中心に若年層で逮捕者も出ています。その危険性を取材しました。 目撃者(沖縄県)「酔っぱらいはよろよろしながら普通に歩くが、吸った人は歩けてない状態。立った状態でどこかにもたれたまま」 エトミデートは、過剰に摂取すると強い幸福感や幻覚作用が得られる一方、激しいめまいや体の震えなどに襲われ、その異様な姿からから、「ゾンビたばこ」とも呼ばれています。 ■「エトミデート」は販売や所持が禁止 厚生労働省は5月、エトミデートを指定薬物とし、現在は販売や所持が禁止されています。 薬物依存からの回復を支援する団体の関係者は、その危険性についてこう指摘します。 琉球GAIA代表理事・鈴木文一さん「エトミデートは”またやりたい”という渇望が強い薬なので、どの薬よりもエトミデートが好き言う人も何人かいる。それだけ止めづらい薬」 指定薬物となった5月から10月末までにエトミデートに関連する摘発者は全国で18人。 20歳未満が6人、20代が10人、30代が2人と、若年層で占められています。 ■背景には「たばこのように吸えるお手軽感」 久々江龍飛フィールドキャスター「ゾンビたばこと呼ばれるエトミデート。県内での検挙者はまだいませんが、県警は危機感を持っています」 石川県警察本部組織犯罪対策課の中根崇議次席は「覚醒剤を使う注射器だとハードルが高い。たばこのように吸えるお手軽感が若者に受けているのではないか」と話します。 県警察本部組織犯罪対策課・中根崇議次席「他県で摘発事例があるということで、県内にも波及してくるのではないかと警戒はしている」 SNSには取り引きを誘う書き込みも見られ、危険が身近に潜んでいることが伺えます。 県警察本部組織犯罪対策課・中根崇議次席「SNSを使って薬物を密売するとなれば、背後にはトクリュウ・匿名流動型犯罪グループが関与していると考えて捜査している」