年録 2025年沖縄の事件・事故 沖縄

今年を振り返る年録2025シリーズ、きょうは「事件・事故」がテーマです。ことしも県内では数多くの事件・事故が発生しました。1年を振り返りながら、違法薬物や詐欺事件など、特に注目された事件を深堀りしていきます。 ことしもまた、アメリカ兵による事件が発生しました。3月、基地内のトイレで日本人の従業員女性の首を絞めて性的暴行を加えるなどしたとして、書類送検、起訴された海兵隊のオースティン・ウェディングトン被告(28)。 先月行われた初公判で、ウェディングトン被告は「記憶がありません」と起訴内容を一部否認、不同意性交等の罪については無罪を主張しています。 また5月、那覇市の国道58号でアメリカ海兵隊の上等兵の男(20)が基準値の2倍の酒を飲んだ状態で運転し、4人に重軽傷を負わせた事件も発生。男は那覇地裁から執行猶予つきの判決を受けています。 県警のまとめでは、ことしアメリカ軍関係者による不同意性交等の検挙人数は6人に上り、刑法犯件数が94件と去年に比べておよそ30件増加、過去20年で最多となりました。 相次いだアメリカ兵の事件を受けて、沖縄市では県警などと協力した合同パトロールと憲兵隊による単独パトロールが行われ、11月には那覇市でも実施されました。しかし、沖縄市では、アメリカ軍の憲兵隊が軍人ではない民間の外国人男性を誤って拘束する事態が発生、アメリカ軍の基地の外での警察権の拡大に懸念の声が上がっています。 ことし特に注目されたのは若者による「違法薬物」事件です。 厚生労働省が5月、新たに指定薬物に追加したのが「エトミデート」です。 「ゾンビたばこ」「笑気麻酔」と呼ばれ、海外では鎮静剤や麻酔導入薬として使われていますが、日本では未承認の薬物です。摂取するとけいれんを起こし、意識を失うこともあり、危険な薬物だとして販売や所持が禁止されました。 琉球GAIA 理事・施設長 草野卓也さん「楽しいって言ってました、笑えるって。『笑う気』って書くくらいなので、やはりすごく笑えるって言ってました、楽しい、多幸感があるとおっしゃってましたね」 県内でアルコールや違法薬物など、依存症の回復施設で理事を務める草野卓也さん。草野さん自身もかつて違法薬物を使用した経験があり、今は県の指定を受けた生活訓練事業所「START」に通う人たちに依存症の回復プログラムを提供しています。 琉球GAIA 理事・施設長 草野卓也さん「最初のうちは短時間で吸ってしまうので意識が飛ぶらしいんですね、何人かが口をそろえて言っていたのは事故、気が付いたら電柱に突っ込んでいた、周りにたくさん人がいて警察も来て、みたいな状況が4回も5回も短期間のうちに起きたのでこれはまずいと自分では思っているんだけれども、やめられない」 県警は先月、エトミデートを含んだ液体を販売目的で所持していたとして、匿名・流動型犯罪グループ「69(シックスナイン)」の違法薬物密売組織トップ・東江雄飛(あがりえ・ゆうと)被告(21)を逮捕。その後起訴され、来月には初公判が決まっています。 県警によりますと、規制後は所持者が潜在化していて検挙は困難になっているということです。実際、規制がかかる5月までに草野さんの元に来たエトミデート関連での相談は10~15件ありましたが規制後は減少しています。 琉球GAIA 理事・施設長 草野卓也さん「おそらく自分でまだなんとかできる、施設に行かなくてもなんとかできるというのが大半だと思います」「ダメ絶対という大きなフレーズがあるが、言われてやってしまった側なので説教とかペナルティはきかないとおもう」「何かしらに生きづらさがあると思うんですなぜ使っていたかを本人と話して、使っていた理由を取り除けばそこが大きなポイントになってやめる方向に突き進んでいけると思います」 「お伺いしたいことがありますので、身分証明書をお持ちになって愛知県警までお越し頂けますか?」 ことしも全国で相次いだ特殊詐欺。県内でもことし223件の被害が確認されていて(11月末時点)被害額はおよそ5億5400万円、過去最高額だった去年を3億7000万円上回る結果になりました。うち4億あまりもの、ほとんどの額を占めたのは警官を装うオレオレ詐欺です。 これは、今月、沖縄市に住む30代の男性のもとに警視庁捜査二課を装う男からかかってきた電話のやりとりです。 録音音声 相手「私は警視庁捜査二課のオオヤマと申します」男性「オオヤマさんですね 警視庁第二課?」相手「捜査二課になります」男性「身分証明書を持ってどちらにお伺いをすればいい?」相手「愛知県警の方に出頭をして下さい」 男性「詐欺グループの主犯格の人が自分のキャッシュカードを持っていたと資金洗浄の疑いがあるのでということで話がありました。それで愛知県警に出頭してくれという話の電話でした」 男性はニュースなどで特殊詐欺の存在は知っていましたが、ある情報を言われた際に動揺したと言います。 男性「実際にことし始めに口座を作ったのですが、そういうのがあって本当の事件なのかと思って正直頭をよぎりました」 今回、電話相手が不慣れだったこともあり、男性は被害を免れました。 男性「(相手が)もう一段上のプロだったら騙される1歩手前までいく可能性もありますし、周りに相談が出来ない、警察の相談窓口とかわからなかったら、その日に飛行機に乗って行っていたかもしれないと思うと、興味本位やプラス(海外発信)から始まる電話は取らない方がいいと言うのはお伝えしたいです」 VTRでもありましたように、特殊詐欺は手口が巧妙になり、被害は年々増加傾向にあります。 SNSを使った詐欺も増え、高齢者だけでなく若者の被害も増えてきています。他人事だと思わず自分の身近に迫っている問題と考えることが求められます。

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