兵庫県警から業務を受注した業者から飲食の場で高級酒類の無料提供を受けたなどとして、警察庁は24日、村井紀之前本部長(58)を警察庁長官注意の処分にした。村井前本部長は同日付で辞職した。タクシー代も受け取っていた署長の男性警視(60)についても、県警が警務部長訓戒にした。 県警は勤務中の飲酒やオンラインカジノの利用で、22日に大量の27人を処分したばかり。業者からの利益供与で前トップが処分され辞職する事態に、県警内では嘆息が漏れた。 村井前本部長は、死亡した元県議への中傷を巡る名誉毀損(きそん)事件で注目を浴びた。起訴された、政治団体「NHKから国民を守る党」党首の立花孝志被告(58)が今年1月、元県議が県警に逮捕される予定だったとの情報を発信した際、県議会で全面否定。警察が公の場で捜査状況に言及する異例の姿勢で臨んだ。 兵庫県伊丹市出身で、今年3月に県警を離れる際は「生まれ育った兵庫県に恩返しの思いをもってやってきた」と述べていた。 県警は今年の懲戒処分者が48人に上り、県民からの信頼が揺らぐ。その直後の前トップの処分に、ある幹部は「ついに上まで……。県民からどう見られているか、全員が襟を正さないといけない」とうなだれた。【柴山雄太】