“ベビスタ”最後のステージの日、増田貴久“矢崎”が田辺桃子“ルイ”にゆがんだ愛を向ける<推しの殺人 最終回>

田辺桃子、横田真悠、林芽亜里がトリプル主演を務める「推しの殺人」(毎週木曜夜11:59-0:54、日本テレビ系/TVerにて配信)の第13話が12月25日に放送された。ルイ(田辺)たちベビスタの最後のライブに連続殺人犯からの脅迫状が届く。彼女たちは自分たちの背負った罪ともどう向き合うのか。緊迫の最終回となった。(以下、ネタバレを含みます) ■「このミス」大賞文庫グランプリ作品を実写化 同作は、2024年『このミステリーがすごい!』大賞文庫グランプリを受賞した、新進気鋭の作家・遠藤かたる氏による本格クライムノベルが原作。 主人公となるのは、大阪から東京に進出した3人組アイドル「ベイビー★スターライト」、通称ベビスタのメンバー。田辺は流されるままアイドルになった頭脳派クール系の高宮ルイ、横田はアイドルで成功することに並々ならぬ意欲を持っている早川テルマ、林は恵まれた容姿で裕福な家庭で育つが孤独を抱える一番人気の沢北イズミを演じる。 さまざまなトラブルを抱える中、事務所の社長を殺してしまった彼女たちは、その罪を隠蔽しようとする。しかし、時を同じくして日本中を騒がせていた未解決連続殺人事件に巻き込まれていく。 ほかに、ベビスタの事務所社長の大学時代の先輩で、ルイと過去に付き合っていたマーケティング会社社長・河都を城田優、河都と同級生の弁護士・矢崎を増田貴久(NEWS)、未解決連続殺人事件を捜査する警視庁捜査一課の刑事でルイの幼なじみ・望月を曽田陵介、ベビスタのマネージャー・土井をトラウデン直美が演じる。 ■ベビスタ解散ライブ当日に脅迫状が届く ルイたちの罪に図らずも迫ることになった望月は、辞職願を出す。望月に思いを寄せるめぐみ(椛島光)からそれを聞いたルイは、辞職を止めようとする。「これ以上、こっち来ないで」と別れを告げたルイ。しかし、1人になると涙をこぼした。 刑事として先輩である坂本(坪倉由幸)に「大切な人が罪を犯したら、どうしますか」と聞いた望月。「罪を犯して罰を受けへんのもけっこうつらいもんらしいで。捕まってホッとする犯罪者も結構多いんや。そんなやつを何人も見て来た。そやから、捕まえてやんのも愛情なんちゃうか」。望月に決意した表情が浮かんだ。 そして、ベビスタの解散ライブ当日。「最高の舞台で殺してあげる」と書かれた脅迫状と黒いバラの花束が届いた。怯えるルイたち。そのとき、火災警報器の音が鳴り響いた。 逃げるライブの観客たちとは逆に、ルイたちの元へとゆっくり進んでいたのは矢崎だ。 ■ルイがゆがんだ愛情を持つ矢崎と対峙 父が放火したときのことがフラッシュバックするルイ。テルマとイズミは心配して、ルイを先に逃げさせた。そんなルイの前に矢崎が現れる。 「ルイを殺したら、テルマとイズミには手を出さない」。 ルイの父親が勤める会社の顧問弁護士となり、ルイのことを知った矢崎。ルイに執着したのは「初めて同じ人間に出会えたと思った」から。かつて家族にDVしていた父を殺そうとしたルイ。矢崎は、男に頼って生き、自分を捨てるも、弁護士となったと知るや金の無心に現れた母親を憎み、「こんな醜悪な女から生まれた過去なんて、全部消したかった」と殺したのだ。 ルイの父が起こした火事のあと、しばらくしてエスコートクラブを始めた河都からルイを「拾った」と聞いた矢崎は、がく然とした。「君も他の女と変わらないのか」と。しかし、その後もルイから目が離せなかった矢崎。しばらくして河都と別れて大阪で地下アイドルになったルイと久しぶりに河都が会うと聞き、河都に復讐する機会でもあると、エスコートクラブの女性たちを狙って罪を着せようとしたのが連続殺人の真相だった。 その連続殺人で大阪の女性を狙った日、偶然にもルイたちの犯行を目撃。再び矢崎は「君と僕は同じなんだ」と思った。 過去の場面を思い返すと、ルイたちの犯行を映し出すとき、何者かの目線であるようなカメラワークがあった。それは矢崎のものだったのだ。 そこから東京進出したルイたちに脅迫状を送り付けていた矢崎。その後、河都がルイと心中しようとしたのを見て、「俺が殺すんだ、愛してるから」というゆがんだ思いが高まって、この日の行動となった。 ルイを斧で襲う矢崎。逃げながらルイは、「そんなの愛じゃない」と矢崎の異常性を指摘する。だが常軌を逸した矢崎が斧を振り上げる。そのとき、テルマとイズミが現れた。 形勢逆転し、ルイが斧を持って矢崎に迫る。しかし「もう誰も殺したくない…。誰も死んでほしくない。私はあなたとは違う!」と言う。憎しみの感情から自分を解放できるのは、テルマやイズミという仲間ができたからだった。 その言葉を「くだらない」とあざわらった矢崎は、3人の前から立ち去る。進んだ先は、ルイたちが立つ予定のステージ。「これが3人が見てた景色…」とつぶやき、「くだらないのは俺の人生か…」と手に持っていた斧を自分の首筋に当てた。そこに望月たち警察が現れ、矢崎は逮捕された。 ■罪を背負って生きてきたベビスタ最後のライブ ぼう然としたままのルイたち3人。「ライブ、できんかったね」とイズミがつぶやく。すると、ステージのほうから「ベビスタ!ベビスタ!」と叫ぶファンのかけ声が聞こえてきた。 騒動があってもラストライブのために戻って来てくれたファンたちの愛。「愛には、愛で返さなきゃ」と、3人は急いで支度をする。土井にこれまでの感謝を込め、「ありがとう」と「ごめんなさい」を伝えてステージへと向かった。 ファンに向かって「解散する前に、みなさんにお話ししなきゃいけないことがあります」とルイが切り出した。演出ではルイの音声は消され、驚くファンたちの表情が映し出された。 アイドルという夢のために罪を背負って生きてきたルイ、テルマ、イズミ。その結末は、愛を与えてくれたファンたちの前で終わりを迎えた。殺人という罪は大きすぎる。しかし、仲間というかけがえのないものを手に入れたのは確か。そんなベビスタの最後のライブは、輝いていたといったらいけないだろうか…。物語は「前を向いて生きていれば、必ず希望がある。そう信じたい」というルイのモノローグで結ばれた。 SNSには「最終回いい終わり方だったな」「ラストステージの笑顔の3人が今までで一番輝いていたよ」「ベビスタ推しの愛が深すぎる」「最後まで矢崎が怖かった」「矢崎も本当の愛に出逢えたらよかったのに」「最終回は増田さんの演技力爆発回だと思う」などの声が上がった。 ◆文=ザテレビジョンドラマ部

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