バーンド・デブスマン・ジュニア・ホワイトハウス記者、グレイス・イライザ・グッドウィン記者 アメリカのドナルド・トランプ大統領は29日、連邦上院の与党・共和党と野党・民主党が予算案の一部で合意したと述べた。 BBCがアメリカで提携するCBSによると、上院ではこの日、5件の歳出法案から成るパッケージに合意したが、国土安全保障省(DHS)への資金拠出に関する6件目の法案がパッケージから外されたという。 DHSへの拠出は、双方が新たな合意をまとめる間の2週間、現行水準で続くと、CBSニュースは伝えた。 トランプ氏はこの合意を支持し、ソーシャルメディアへの投稿で、「共和党と民主党の双方が、本当に必要とされている超党派の『イエス』票を投じてくれることを期待している」と記した。 合意された予算案は、2026会計年度末である9月30日までの国防総省、保健省、財務省、連邦裁判所制度およびその他の政府機関への資金拠出を承認するもの。 トランプ氏は、「議会の共和党と民主党が、9月まで政府の大部分に資金を出すために結束した。同時に、国土安全保障省(非常に重要で、これまでにない規模で拡大と再建を進めている沿岸警備隊を含む)への延長措置も提供している」と付け加えた。 民主党は、ミネソタ州ミネアポリスでルネー・ニコール・グッド氏とアレックス・プレティ氏のアメリカ市民2人が、連邦移民当局の職員によって相次いで殺された事件を受け、1兆2000億ドル規模の連邦予算案からDHSへの拠出を外すよう求めてきた。 DHSは、多数の機関を抱える巨大な省庁で、移民税関捜査局(ICE)、税関国境警備局(CBP)、沿岸警備隊、シークレットサービス(大統領警護隊)などが含まれる。 現在、ICEとCBPから数千人の連邦捜査官が、トランプ政権の強硬な移民取り締まりの一環として、ミネソタ州に派遣されている。 ミネアポリスでの射殺事件と、ミネソタ州内で続く移民取り締まり作戦が、全米で抗議活動を引き起こしている。2件目の射殺事件を受け、民主党と一部の共和党議員は、DHS予算の承認に反対姿勢を強めた。 民主党はこのほか、連邦捜査官が逮捕前に令状を取得することや、捜査官がどのように身分を提示するかを定める、より明確な規則を作るよう求めている。 一部の民主党上院議員は要求をエスカレートさせ、DHSのクリスティ・ノーム長官の更迭と、ICEおよびCBPの構造的な改革を明確に求めた。 民主党のチャック・シューマー上院院内総務は、「この狂気、この恐怖を止めなければならない」と述べた。 これには一部の共和党議員が反発し、ジョン・コーニン上院議員(テキサス州選出)は「いかなる変更も、政府閉鎖を代償にしてはならない」と述べた。 ■次はどうなる? 予算案はすでに下院を通過していたが、上院を通過するには60票が必要だった。 上院は定数100で、共和党議員は53人しかいないため、法案可決には少なくとも一部の民主党議員の支持が必要だった。 報道によると、上院がDHS法案をパッケージから外すことに合意する前、手続き上の採決で予算を通過させる動きは45対55で否決された。民主党議員全員が反対票を投じたほか、浪費的な歳出を懸念すると述べた8人の共和党議員も反対に回った。 シューマー院内総務は今週初め、「ICEが抑制され、抜本的に見直されるまで、私はICEに拠出するあらゆる法案に反対票を投じる。上院の民主党はこの問題で圧倒的にまとまっている」と述べていた。 上院が6法案からなる予算案からDHS法案を外したため、パッケージとしての予算案は下院で再承認される必要がある。下院は2月2日まで開かない予定だ。 このため、予算案に含まれる各省庁への拠出は、下院が2日に招集されるまでの週末に、一時的に失効する可能性がある。ただし、多くの政府サービスは週末に稼働していないため、その影響は最小限にとどまる見通しだ。 ■政府の一部閉鎖とは 閉鎖が起きたとしても、アメリカ連邦政府全体に影響するわけではない。 数十の政府機関についてはすでに、9月末まで予算案が可決されているため、閉鎖は部分的なものにとどまる。 DHSと同じ歳出法案には、国防総省、保健省、財務省、連邦裁判所制度などの予算も含まれている。 報道によると、両党は議会が全体の予算案を可決できるよう、予算案からDHSを切り離すことで合意した。 DHSについては現在の拠出が2週間延長され、交渉担当者が移民対策に関する合意に達する時間が確保されると報じられている。 DHSは、ICE、CBP、沿岸警備隊、シークレットサービスなど複数の機関を抱える巨大な省庁だ。 一部閉鎖の間、対象機関の機能に「不可欠」とされる職員は勤務を継続するが、政府が別の財源を確保しないかぎり、資金が復旧するまで給与は支払われない。トランプ氏は昨年の政府閉鎖の際、米軍に対し同様の措置を講じた。 ■前回の政府閉鎖 10月1日から11月12日まで43日間続いた昨年の連邦政府閉鎖は、アメリカ史上最長となった。 民主党は当初、年末に失効予定の健康保険補助金の延長を歳出法案に含めるべきだと主張し、予算案に賛成しなかった。 最終的には、法案成立に十分な数の民主党議員が譲歩した。 このときの閉鎖では、約140万人の連邦職員が無給休暇に入るか、給与なしで勤務した。食料支援も宙に浮いたほか、アメリカ全土で空の交通が深刻な混乱に陥った。 1981年以降、政府閉鎖は計16回発生しているが、数日間で終わった例もある。 (英語記事 Republicans and Democrats reach funding package deal, US president says)