トランプ氏らの人種差別的発言 人種侵害に繋がると国連が警鐘

ジュネーブ、スイス、3月12日 (AP) ー 人種差別に焦点を当てた国連支援の独立専門家委員会は11日、トランプ米大統領やその他の米国政治指導者による人種差別的なヘイトスピーチ、および米国における移民の取り締まりが「深刻な人権侵害」につながったと発表した。 ジュネーブに本拠を置く人種差別撤廃委員会は、学校、病院、宗教施設およびその周辺での移民取締り作戦を停止するよう米国に要請した。委員会の早期警告プロトコルに基づいて下されたこの決定は法的拘束力はないが、米国という国に対して、自国が国際的に約束した義務の履行を求めるものである。 委員会はまた、移民・難民・亡命希望者をめぐる蔑称的・非人間的な言説の使用に「深く憂慮している」と表明。人種差別増加の背景には、これらの集団を標的とした「人種差別的ヘイトスピーチ」があると委員は指摘したが、具体的なデータは示さなかった。言説に加え、政治家や公人が固定観念を武器化し、憎悪犯罪や差別を煽る影響も懸念されている。 委員会は報道発表で「特に大統領を含む最高位の政治家や影響力のある公人が、彼らを犯罪者や負担として描写することは、人種差別や憎悪犯罪を煽る可能性がある」と述べた。 トランプ氏だけでなく、バイデン前大統領やオバマ元大統領も、国連が制度的な人種差別や憎悪、差別を非難した時期に政権を担当していた。しかし今回の委員会は、問題の一端として特にトランプ大統領の演説を名指しした。バイデン氏やオバマ氏の言説については個別に指摘しなかった。 米国移民関税執行局(ICE)と米国税関・国境警備局(CBP)も、有色人種に対する人種的プロファイリングや、しばしば恣意的に見える身元確認を実施したとして名指しされた。 ホワイトハウスのオリビア・ウェールズ報道官は「この国連の評価は、故障したエスカレーター同様に無意味だ。彼らの極端な偏見は、なぜ誰も真剣に受け止めないかを証明し続けている」と述べ、トランプ氏が犯罪削減と国境警備強化に取り組んだ実績を指摘した。 報告書で委員会は、米国が1965年に国連が採択した「あらゆる形態の人種差別撤廃に関する国際条約」の締約国としての義務を果たしていないと主張している。報告書は「差別的で危険かつ暴力的な手法」が関与した事件により、過去3カ月間で8人が死亡したと指摘。 委員会は米国に対し、移民政策が国際人権法に準拠しているか見直すよう求めている。これには、学校・宗教施設・病院周辺を含む移民取締活動の停止、亡命手続き関連の「差別的措置」の廃止、移民当局が政府データベースの個人データにアクセスできないよう保護措置を講じることが含まれるべきだと指摘する。 トランプ政権は、大規模な国外退去を第二期政権の主要政策とし、全米複数の都市で移民制限の強化と取り締まりの強化を開始した。この取り締まり強化により移民の逮捕が急増し、政権が拘留と取り締まりの両方で用いている手法について批判者たちの懸念が高まっている。 政権は、この取り締まり強化について安全保障と経済上の懸念を理由に挙げている。 人種差別撤廃委員会は、世界中から18人の独立専門家をメンバーとしており、彼らは「あらゆる形態の人種差別撤廃に関する国際条約」の実施状況を監視している。米国は1994年にこの条約を批准した。 (日本語翻訳・編集 アフロ)

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