「幸平一家に関わるものであれば…」 男性2人を投げ飛ばした昨年の事件で傘下組長を逮捕

警察署の建物の階段から降りてきた男──。カメラを構える報道陣に気がつくと、訝しげな表情で付き添いの警察官に何やら話しかける。そして、再び前を向き、しっかりと報道陣を見据えたのだった。 4月16日、警視庁練馬署に暴行容疑で逮捕されたのは、住吉会幸平一家傘下の「與那嶺組」組長の與那嶺政年こと、与那嶺政年容疑者(50)である。17日朝、検察庁に送検された。 「与那嶺容疑者は、昨年、東京・練馬区の路上で、男性2人を投げ飛ばすなどの暴行を加えた疑いが持たれています。警察によると、同容疑者の知人が、スナックで料金トラブルになり、近くの店にいた同容疑者が駆けつけ、スナックを経営する男性と店員の男性に対し犯行に及んだということです」(全国紙社会部記者) 幸平一家は特殊詐欺や闇バイト強盗などを行うトクリュウ(匿名・流動型犯罪グループ)と深い関係があり、国内最大の違法風俗スカウトグループ「ナチュラル」にも関わっているとみられている。薬物に関しても、覚醒剤だけでなく、沖縄で火がつき、若者の間での乱用が問題になっているゾンビタバコの密売などにも関わり、莫大な利益を得ているとみられており、いまや、都内最大の組織となっているという。 警視庁は今年1月、刑事部長指揮のもと、「住吉会幸平一家特別対策本部」を立ち上げた。その際の会見で、警視庁暴力団対策課の大場俊彦管理官は、 「幸平一家に関わるものであれば、あらゆる犯罪を検挙していく」 と語っていた。その言葉どおり、幸平一家が関係すると思われる過去の未解決事件まで、徹底的に捜査が行われているようだ。 3月、幸平一家傘下組織の組長ら5人が監禁、強盗傷害の疑いで逮捕され、4月2日には、恐喝容疑で幸平一家の組員1人が逮捕された。さらに、4月13日には、’24年に覚醒剤5キロ(末端価格2億6800万円)を輸入したとして組員の1人が逮捕されている。今回の暴行容疑も、事件発生から少なくとも4ヵ月以上が経っている。犯罪ジャーナリストの小川泰平氏に聞いた。 「間違いなく幸平一家に対する集中取り締まりの一つでしょう。警察の強気の姿勢をしっかり見せている。たとえば、愛知県警は暴力団山口組弘道会に対する取り締まりを強化するため、’09年前後から弘道会における特別捜査本部を設けています。それと同じように、警視庁は今、幸平一家に対する捜査に特に力を入れています。 これまでだったら、通報があっても、身内同士の揉め事や起訴まで至らないような事案であれば、事件化しなかった場合もあったでしょう。しかし、今はなんでもいいから情報を取って、そこに暴行事件があれば、すぐに身柄を取りにいく。起訴できるできない、という判断基準ではない、かなり厳しい姿勢でやっています。今回の逮捕者は、幸平一家傘下の暴力団組長ですから、警視庁にとってアピールする価値は十分にありますよ。『末端だろうが、幹部だろうが、どんなに小さいことでも幸平一家は捕まえる』ということだと思います」 調べに対し、与那嶺容疑者は、「俺はケンカの仲裁に入っただけだ」と容疑を否認しているという。

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