水谷豊さんが岩手・一戸で語った裏話 「日本一の貧乏映画祭」に20年ぶり登壇

岩手県一戸町の老舗映画館「萬代館」で19日、第30回を迎えた「カシオペア映画祭」が開かれた。毎年第一線の映画人が訪れることで知られ、今年は20年ぶりに俳優水谷豊さん(74)が登壇。約200人のファンを前に、上映作にまつわるエピソードなどを語った。 最初に上映されたのは、1981年の主演作「幸福」。市川崑監督からは「みい谷ちゃん」と呼ばれ、「立ち姿に色気がある」と褒められた言葉が「後々の支えになった」と明かした。 2本目の「HOME 愛しの座敷わらし」(2012年)は、岩手が舞台となった作品。撮影時期は東日本大震災の直後で「中止を考えるほど悩んだが、いつもと同じように接することが自分にできることだと思った」と当時を回想した。 映画はホームドラマで、遠野市や盛岡市でのロケを「推理も逮捕も取り調べもしなくていい。つくることなく自然でいられた」と振り返り、笑いを誘った。 最後を飾ったのは22年の「太陽とボレロ」。脚本・監督作品ならではの制作の裏話を語った。ファンの質問にも応じ、陸上で五輪を目指した学生時代や、ドラマ「傷だらけの天使」撮影時の秘話など、話題が尽きなかった。 20年前も来場したという一戸町の教員日影舘亨さん(55)は「変わらずファン思いで、小さな映画祭に再び来てくれる義理堅い方。充実した一日だった」と感激した様子だった。 閉幕後の取材で水谷さんは「どんな賞よりお客さんの拍手が一番うれしい」と語り、「日本一の貧乏映画祭と言っていたが、映画への思いは日本一豊か。明治創建の萬代館を守りながら続けていることは素晴らしく、全国に知ってほしい」と映画祭へ思いを寄せた。 (島形桜)

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