貸金庫の金塊など窃盗、三菱UFJ元行員が起訴内容認める 東京地裁

三菱UFJ銀行の支店の貸金庫から金塊や現金を盗んだとして、窃盗の罪に問われた元行員の山崎(元の姓・今村)由香理被告(46)=東京都練馬区=の初公判が18日午前、東京地裁で始まった。山崎被告は「全部認めさせていただきます」と起訴内容を認めた。 山崎被告は、勤務していた練馬支店で昨年3月と9月に顧客の貸金庫から金塊計22個(計約2億8千万円相当)を盗み、異動先の玉川支店でも10月に貸金庫の現金1650万円を盗んだとして逮捕、起訴された。 山崎被告は練馬・玉川両支店で支店長代理を務め、貸金庫の管理責任者だった。警視庁の捜査段階では、外国為替証拠金取引(FX)などで多額の損失を出したことで貸金庫に手をつけるようになり、「客の利用頻度を参考にし、盗む貸金庫を決めたこともあった」などと供述していた。 三菱UFJ銀が今年1月に公表した調査結果によると、被告は支店で保管していた予備の鍵を不正に持ち出して貸金庫を開け、発覚を免れるために他の顧客の金品で穴埋めするなどしていたという。 同月時点で被害に遭った顧客は約70人、被害額は計約14億円で、すでに約7億円分については補償したとしている。 従業員による貸金庫での窃盗事件は昨年以降、他の金融機関でも相次いで発覚している。 問題を受け、金融庁は今年3月、銀行などに対する監督指針の改正案を公表した。貸金庫がある部屋に入退室する際の手続きの整備や、予備鍵の厳重な管理、貸金庫の保管対象から事実上現金を除外することなどを求めた。(森下裕介)

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