勤続30年の教員、飲酒運転で退職金1720万円が不支給に…「処分が重すぎる」との訴えに出した<最高裁の結論>とは

「この国で各地の地裁に起こされた民事訴訟は年間14万件、起訴された刑事事件は6万件。そのうちニュースとして報道されるのは、ごくごくわずかな一部にすぎません」と語るのは、日本経済新聞電子版の「揺れた天秤〜法廷から〜」を連載した「揺れた天秤」取材班。そこで今回は、この大好評連載をまとめた書籍『まさか私がクビですか? ── なぜか裁判沙汰になった人たちの告白』より一部を抜粋し、<学びになるリーガル・ノンフィクション>をお届けします。 * * * * * * * ◆1度の飲酒運転で…… 2017年4月、ネオンサインのともる宮城県内の飲み屋街。午後10時半ごろ、公立高に勤務する男性が約20キロ離れた自宅へ向け、駐車場から車を発進させた。 直後に差し掛かった信号機のない丁字路で、優先道路から曲がってきた乗用車の後ろのタイヤ付近にぶつかった。 職場の歓迎会の帰りだった。居酒屋でグラスビール1杯と日本酒3合、2軒目の焼鳥屋でビールを中ジョッキで1杯。「大丈夫だろう」とハンドルを握ってしまったという。 幸いけが人はなかったが、警察による呼気検査で基準値を超えるアルコールを検出してその場で逮捕され、後に罰金35万円の略式命令を受けた。

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