垣根超え、資金洗浄グループ摘発 暗号資産の複雑ルートを解明

警視庁と愛知県警の合同捜査本部は、警察庁サイバー特別捜査部などの協力を得て、「ルフィ」事件の被害金をマネーロンダリング(資金洗浄)した疑いのあるグループの存在を突き止めた。 複数の捜査機関が連携して立件にこぎ着けたことを踏まえ、警視庁幹部は「今後は部門の垣根を越えた捜査が必要になる」と語った。 愛知県警が昨年春、別の架空請求詐欺事件の被害金を資金洗浄したとして、無職福井かおり容疑者(48)を逮捕したことが、捜査進展のきっかけだった。同容疑者の関係先から多額の現金が、グループメンバーの相田栄幸容疑者(33)を通じて幹部の樋口拓也容疑者(37)宅に運搬されていたことが判明。福井容疑者はその後、組織犯罪処罰法違反罪で起訴された。 一方で警視庁も、大半が不明となっていたルフィ事件の被害金の行方を調べる中で、一部が樋口容疑者宅に運ばれたことを突き止めた。同庁は架空請求詐欺事件で同容疑者らを調べていた愛知県警と情報を共有し、合同捜査本部を設置した。 樋口容疑者らは、犯罪収益を暗号資産に交換し、海外の取引所や複数のアドレスを経由して資金洗浄をしていたとされる。 捜査関係者によると、資金洗浄を巡っては、複数の暗号資産アドレスや海外取引所を経由することで犯罪収益との接点が分かりにくくなる。匿名性も高まり、追跡されにくくもなるという。 警視庁は今後、樋口容疑者らがルフィ事件の被害金についても、暗号資産を介すなどして、フィリピンにいた指示役に還流させていたとみて、詳しく調べる方針だ。

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