【大学野球】大商大・鈴木豪太がマダックス93球完封 冨山陽一監督逮捕後初の試合で圧巻投球

◆関西六大学野球春季リーグ戦 ▽第4節1回戦 大商大4―0龍谷大(26日・ほっともっとフィールド神戸) 冨山陽一監督(60)の逮捕を受け、高瀬義和コーチ(60)が代行監督として指揮を執った大商大が、勝ち点2で並んでいる龍谷大との接戦を制した。プロ注目で最速147キロのサイド右腕・鈴木豪太(4年)が1安打に抑え、93球でマダックス(100球未満の完封勝利)を達成した。神院大は岡田悠作(4年)が無四球で完封し、大院大に先勝した。 大商大が王者の貫録を示した。「絶対に負けられない試合だったので、最後まで自分が投げきる気持ちで」と、鈴木豪が93球の1安打でマダックスを達成。打線が3安打と苦戦するなか、エースが1得点を死守した。 右腕は6回まで完全投球。「どの球種でもカウントが取れた」。7回先頭に味方の失策で初めて出塁を許し、8回無死で湯水海に初安打を浴びて無安打無得点は逃した。それでも、出した走者は1四球を含めて3人だけ。「5回くらいにベンチで『完全試合いこうや』という話もあったんですけど…。チームが勝てたことが一番うれしい」と、笑みを振りまいた。 常勝軍団に衝撃が走った。冨山監督が、車検切れの軽自動車を事情を知らない知人に運転させたとして、道路運送車両法違反容疑で逮捕されたことが22日に分かった。大学はホームページ上で「事実関係を確認のうえ厳正に対処いたします」と発表し、代行監督に高瀬コーチが就いた。今春は、同コーチが指揮を執る予定で、「いろいろありましたけど、逆にまとまりができたというか、いつになく絶対に負けないんだと」と高瀬監督代行。ナインは動揺することなく、龍谷大戦に向けて準備を進めてきたという。 開幕5連勝で、連盟記録をさらに更新する7季連続Vに一歩前進した。「より一層、チームも絶対に勝つぞという気持ちになった。自分の役割を一人一人が全うしてつかんだ勝利」と鈴木豪。試練の春を、ナインが一枚岩となって戦う。(瀬川 楓花) ◆鈴木 豪太(すずき・ごうた)2003年8月31日、滋賀・長浜市生まれ。21歳。湯田小2年から浅井西スポーツ少年団で軟式野球を始め、浅井中では滋賀ユナイテッドJBoy’sに所属。東海大静岡翔洋(静岡)では1年夏からベンチ入り。甲子園出場はなし。大商大では1年の全日本大学選手権で公式戦初登板。175センチ、84キロ。右投右打。

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