トランプ2.0で“初” 人権問題での対中制裁の効果は?今、習近平が最も恐れていることと日本で懸念される中国からの「人の流れ」

ニューヨーク・タイムズ紙の4月1日付け解説記事が、「米国務省は、中国および香港の高官6人を対象とする制裁措置を3月末に発動した。トランプ政権になって、人権問題に関連してとられる初の対中制裁措置であり、大きな意義がある」と報じている。要旨は次の通り。 米国は3月28日、中国および香港の高官6人を対象とする新たな対中制裁措置を発動した。彼らは、香港や米国内で民主運動家を弾圧したからである。 この動きは、トランプ政権が香港の人権問題に関連して中国に圧力をかける初の一歩となった。米国務省は「これらの当局者は香港国家安全維持法を利用し、海外逃亡を余儀なくされた19人の民主活動家を威嚇、沈黙させ、嫌がらせをした。19人の中には一人の米国市民と米国在住者4人が含まれる」との声明を発表した。 国務省は、同日(3月28日)年次報告書を発表し、「香港政府は国家安全維持法を用いて香港市民の人権と自由を損ない続けている」と非難した。他の西側諸国も同様の批判を展開している。同報告書では、香港政府が海外在住の反体制派の逮捕につながる情報に対して報奨金を12月に提供したと指摘している。 米国在住の香港活動家たちは、この制裁発動の動きを大きな意味があるものとして歓迎している。 ワシントンの中国大使館は声明を出し、国家安全維持法は中国領土に安定と繁栄を取り戻すために「正当かつ必要」なものだと述べ、米国による制裁を「中国の内政と香港問題への重大な干渉」と非難した。香港政府は、今回の制裁は「卑劣な行為」であり、「米国の蛮行を表す」脅迫行為であると述べた。 国務省の制裁は、米国内での個人の財産所有と金融取引に制限を加えるものである。米国はすでに他の中国や香港の高官数十人に対して制裁を課しており、2020年と21年に渡航禁止と資産凍結の指令を出している。 ルビオ国務長官は、中国の人権問題を長年批判してきたが、今回の制裁は、香港市民の自由を制限し、海外に拠点を置く人々を追及する当局者に責任をとらせるというトランプ政権のコミットメントを示すものだと述べた。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする