広島市が今年8月6日に開く平和記念式典について、日本と外交ルートがない台湾にも開催を伝える通知を送る方向で調整していることが15日、分かった。当初の予定では台湾は対象外だったが、台湾側の出席意向などを考慮し、判断を見直す方針。 式典を主催する市は、今月中にも通知先を含む式典の概要を発表する。台湾への通知に関し、市は「検討中」としているが、被爆80年を迎える今年、人類の共存と繁栄を願う「ヒロシマの心」をより広く伝える必要があるとの判断に傾きそうだ。 市は4月、各国代表を式典に「招待」する方法から開催を伝える「通知」を送る形に変更すると公表。出席の判断は各国などに委ねた上で、日本に在外公館があるか国連に代表部がある195カ国・地域を対象にするとしていた。 日本は台湾を国として認めていないため、この段階で通知の送付先に含まれていなかった。 広島県を管轄区域に持つ台湾の台北駐大阪経済文化弁事処(大阪市)の洪英傑処長は4月、産経新聞の取材に、台湾として「案内状(通知)をいただければ、出席する所存」と文書で回答していた。