携帯電話の「キャリア決済」を悪用し、他人名義のクレジットカード情報でオンラインゲームの通貨を不正に購入したとして、ベトナム人の専門学生の男が追送検されました。 警視庁によりますと、電子計算機使用詐欺の疑いで追送検されたのは、ベトナム国籍で専門学生のグエン・ザー・ティ被告(20)です。 グエン被告は2024年12月、不正に入手した他人名義のクレジットカード情報で、オンラインゲーム内で使える通貨7万6800円分を不正に購入した疑いが持たれています。 グエン容疑者は仲間と共謀して、他人名義のカード情報を使ってゲーム内通貨を購入し、それを2割引きの値段でユーザーに販売することで、オンラインゲームの課金代行の依頼を募っていたということです。ひと月に200万円から300万円ほど売り上げていたとみられています。 今回、グエン被告らはゲーム内通貨を購入する際に「キャリア決済」を悪用していました。発覚を免れる狙いがあったとみられています。 「キャリア決済」は通信事業者が提供している決済サービスで、ひと月分のゲームでの課金やネットでの買い物代などを携帯電話料金とまとめて支払う決済の方法です。 こうした課金などは、クレジットカードで支払う設定をしている場合、利用した時間や金額などがメールで都度、送られてきますが、キャリア決済の場合は利用時に毎回通知されず、支払いも携帯料金と合算されるため、不正に利用されていても気づかず被害に遭い続けた人もいたということです。 警視庁は今回の事件を受け、「クレジットカードの月々の明細を確認し、もし不審な利用があれば、クレジットカード会社に問い合わせをしてほしい」としています。 グエン被告は2025年3月、東京・渋谷区の決済アプリ「ハチペイ」アカウントの本人確認を代行して、他人にアカウントを不正に取得させたとして、すでに逮捕・起訴されていました。