日本サッカー協会(JFA)は23日、6月の北中米W杯アジア最終予選2試合に臨む日本代表メンバー27人を発表し、MF佐野海舟がケガのため参加を辞退した昨年3月以来の代表復帰を果たした。 海外初挑戦となった今季、マインツで公式戦全試合に先発した佐野海はブンデスリーガ総走行距離でNo.1に輝くなど、圧倒的な存在感を見せた。一方、昨夏、鹿島からマインツへの移籍が発表されたあと、昨年7月14日に不同意性交容疑で逮捕される事態が起きた。同29日に釈放、8月8日に不起訴処分となっていた。 メンバー発表会見では佐野海の招集に関して質問も出た。山本昌邦ナショナルチームダイレクターは「JFAのスタンスは、サッカー界としてあらゆる差別や暴力、ハラスメントを一切許容しないということ。引き続きあらゆる差別や暴力、ハラスメントに対して厳正な姿勢で臨んでいく。一切の妥協も許さない」としたうえで、「1つ目は、相手の方に対して話し合いをしたことを確認している。2つ目は、本人が深く反省していること。3つ目に不起訴処分という判断が検察よりなされており、刑事事件としては罪に問われず終了していること」という3つの観点から選出に至ったことを説明した。 また、森保一監督は「私自身もコンタクトを取ったし、深く反省しているところを強く感じた」と、直接コミュニケーションを取ってきたことを明かし、「彼がドイツでプレーしている中、真摯に向き合って、社会に貢献するという強い気持ちを持ってプレーしていることもあり、我々としてもまたチームに迎え入れて、社会に貢献する日本代表の一員として戦っていいのではないかという判断をさせていただいた」と熟考の末、招集を決断したという。 「ミスを犯したということは、(佐野)海舟には言えるかもしれないが、チームの一員を家族と考えたときに、指導者として選手と向き合う中、一人の人間として、ミスを犯した選手をそのまま社会から放任するのか、サッカー界から葬り去るのかということに関しては、再チャレンジする道を家族として与えることのほうがいいのではないかということで判断させていただいた」 佐野海の代表合流となれば、24年1月から2月に行われたアジアカップ以来。MF守田英正、MF田中碧というボランチの主力を欠く中、戦力としての期待も当然大きい。