米総合格闘技UFC2階級制覇王者でヘビー級王者ジョン・ジョーンズ(37=米国)が21日(日本時間22日)に総合格闘技からの引退を発表した。その発表から数日前、事故現場から逃走した罪で起訴されたと22日、英大衆紙ザ・サンが報じた。報道によると6月17日に起訴されたという。2月24日、米ニューメキシコ州で、事件に関与した車のうち、1台はジョーンズが女性とともに乗っており、地元警察の報告書によると「女性はかなり酩酊(めいてい)状態にあり。腰から下は裸だった」と記述されている。 同警察は、事情聴取したジョーンズが自らの身元を明かさなかったとし、暴力行為をほのめかす発言をしていたとしている。また社内で発見された下半身裸の女性はジョーンズの家で酒を飲み、きのこを摂取したと主張し「次に覚えているのは交通事故現場にいたことだ」と供述している。 ジョーンズが車の運転で法律違反を犯すことは過去にも多かった。15年には2台の乗用車に衝突し、現場から徒歩で逃走したとしてひき逃げの罪で起訴。18カ月間の保護観察処分と、当時保持していたUFCライトヘビー級王座も剥奪された。またこれまでも飲酒運転で何度も逮捕歴があり、犯行現場から逃走した罪を認めている。 ジョーンズは21日に自身のX(旧ツイッター)を更新。「本日、UFCからの引退を正式に発表します。この決断は多くの熟考の末に下されたものであり、この数年にわたる旅路に対して、心からの感謝の意を表したいと思います。初めてオクタゴン(金網)に足を踏み入れた時から、私の目標はこのスポーツで何が可能かという限界を押し上げることだった。史上最年少のUFC王者となり、世界最高のファイターたちを相手にタイトルを守り、世界中のファンと忘れられない瞬間を共有したこと。これらは一生大切にする思い出です」などとつづった。なおUFC同級王者は暫定王者トム・アスピナル(32=英国)が正規王者に昇格することになった。 戦績28勝1敗(1失格1無効試合)と人気の重量級で2階級を制覇し「UFC最強」と言われる一方、ジョーンズは飲酒運転、器物破損、UFC会見での乱闘騒ぎ、度重なるドーピング違反、マリフアナ使用疑惑、運転免許不携帯、銃器過失使用、家庭内暴力、警察車両破壊とトラブル続きだった。今回も現役引退発表直前に起訴されるというジョーンズらしい「幕引き」となった。