フィリピン、日本に技術支援要請 湖に沈められた闘鶏参加者の捜索で

【AFP=時事】フィリピンのクリスピン・レムリヤ法相は4日、悪徳警官に殺害され、首都マニラの南に位置する湖に遺棄されたとみられる闘鶏参加者数十人を捜索するため、日本に技術支援を要請したと発表した。 この事件は、2022年にフィリピンの巨大な闘鶏(サボン)業界で相次いだ不審な失踪事件と関連している。 タール湖に沈められた遺体の位置を知っていると主張する目撃者がテレビに出演して以来、この未解決事件への関心は高まっている。目撃者は最近市長候補となった「ドンドン」ことジュリー・パティドンガン氏と特定された。 レムリヤ法相は4日、「行方不明者が(湖に)投げ込まれた場所を証言できる」複数の目撃者がいると説明。 さらに、同法相が「処刑の実行役」とする国家警察の警察官15人が本件をめぐり捜査を受け、制限付きで職務に就いていると付け加えた。 レムリヤ法相は「湖底のマッピングやその他必要な技術のため、日本政府に支援を要請する書簡に署名したところだ」「ここでは科学的なアプローチが必要だ。運任せにはできない」と述べた。 タール湖は火山のカルデラ湖で、面積は230平方キロ超。水深は172メートルに達するところもある。 パティドンガン氏は当初、地元テレビ局GMAのインタビューにシルエットで登場したが、後に身元を明かし、身の危険を感じていると訴えた。 同氏は、闘鶏のライブ配信に関与していたチャーリー・アン氏を、一連の失踪事件の首謀者として名指しした。 アン氏はすべての容疑を否認し、3日に元従業員のパティドンガン氏を名誉毀損(きそん)、脅迫、強盗共謀の容疑で告訴した。 司法省は2022年末、闘鶏参加者34人の失踪に関与した疑いで警察官と治安要員を相次いで逮捕した。レムリヤ法相は失踪した34人について、「おそらく死亡しているだろう」との認識を示した。 パティドンガン氏はテレビ出演後、実際の死者数は100人に上る可能性もあると主張している。 フィリピンでは、あらゆる階層の人々が毎週、足に鋭利なつけ爪を着けて死闘を繰り広げる雄鶏の試合に数百万ドルを賭けている。 多くの国で禁止されている闘鶏は、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的な大流行)による規制下でもオンライン化によって存続し、スマートフォンを使って賭けに参加するギャンブラーを多く呼び込んでいる。 闘鶏のライブ配信は2022年、退任直前のロドリゴ・ドゥテルテ前大統領によって禁止されたが、執行は甘いため、今も存続している。【翻訳編集】 AFPBB News

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