隠れ場所をこうして暴いた…映画のようだったエクアドル麻薬王の逮捕

大統領候補暗殺を主謀したという容疑を受けているエクアドルの麻薬王が軍に逮捕された。各種豪華施設と秘密通路であふれる豪華な自宅で展開された逮捕作戦は一編の映画を彷彿とさせた。 エクアドル軍は先月25日、麻薬王「フィト」ことホセ・アドルフォ・マシアスビジャマール容疑者を逮捕した。エクアドル麻薬ギャング組織「ロス・チョネロス」のリーダーだ。彼はエクアドルの殺人率を急上昇させた原因に挙げられるほど悪名を駆せた。 エクアドル軍は彼を追跡し始めて1年6カ月で彼の自宅に対する情報を入手した。彼はギャング組織の麻薬拠点である西部マナビ地方に豪華なマンションを建てて過ごしていた。 軍によると、容疑者の自宅は大理石の壁とプール、ジム、ゲームルームなど各種施設が備わっていた。まだ工事中の場所もあったが家電製品まで取りそろえていた。 特異な点は家の片隅に石の床で偽装した秘密通路があったことだ。この通路は地下壕につながっており、地下壕にはベッドとエアコン、冷蔵庫などをそろえた生活空間があった。 ここで容疑者は見つからなかった。エクアドル軍が自宅周辺を監視飛行した末に裏庭で不審な点を発見した。軍は掘削機を動員して裏庭を掘り起こし始めた。 エクアドルのラインバーグ内務相は当時の状況について、「軍が発掘を始めるとフィトはパニック状態に陥った。発掘作業が続きバンカーの天井が崩壊しないか心配したのだ。彼は軍人がいたハッチを開けて穴から出てきた」と説明した。 ロス・チョネロスの創立メンバーであるマシアスビジャマール容疑者は2013年に 殺人と麻薬密売容疑で34年の刑を宣告され収監された。彼は前リーダーが殺害されると刑務所で次期リーダーを引き受け、ギャング組織の活動に関与した。2023年の大統領選挙を数日後に控え選挙集会で銃撃により死亡したフェルナンド・ビジャビセンシオ候補の暗殺を指示した容疑を受けている。 マシアスビジャマール容疑者はメキシコの麻薬カルテルと同盟を結び、メキシコの残酷な手法をエクアドルに持ち込んだ。昨年1月に刑務官を買収して脱獄した。その後刑務所で暴動が相次ぐと政府はマシアスビジャマール容疑者を必ず捕まえるとして逮捕作戦を続けてきた。

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