「なぜこんな所で?」…成人向けビデオの撮影場所に遺体遺棄で逮捕の30歳男「現場に残った2つの謎」

7月2日、東京・新宿区のマンションで住所・職業不詳の成瀬壮一郎さん(35)の遺体が見つかった事件について、警視庁は遺体遺棄の疑いで住居・職業いずれも不詳の北誠一容疑者(30)を逮捕した。二人は知人関係だったとみられている。 「事件が発覚したのは7月1日でした。マンションの管理会社から『異臭がする』と110番通報があったそうです。成瀬さんは部屋にあったバスタブの中で、下着姿で横たわっていた。頭部には複数のキズがありました。警察は近隣住民への聞き取りなどから、成瀬さんが殺害されたのは6月27日ごろとみています。 実際、27日のマンションの防犯カメラ映像を調べたところ、事件現場に出入りする北容疑者の姿が映り込んでいた。なお、二人は仕事を通じて知人関係にあったとみられています。北容疑者は取り調べに対して『私はやっていません』と容疑を否認しているそうです」(全国紙社会部記者) 7月4日の送検時は、真っすぐに報道陣を見据えていた北容疑者。マスクをつけていたため表情のすべてが読み取れたわけではないが、たじろぐこともなく護送車に乗り込んでいった。 ◆事件に残された「2つの謎」 この事件には不可解な点がある。まず1つ目は、成瀬さんが遺棄されていた場所だ。当該の一室は成人向けビデオの撮影や動画編集、キャストの待機場所として使用されていた部屋だという。ブルーシートがかけられていたというが、遺体を隠すには明らかに不向きな場所だ。なぜ北容疑者はそんな場所に遺棄したのか。犯罪ジャーナリストの小川泰平氏がその心理を読み解く。 「理由として一番可能性が高いのは、突発的な犯行だったということでしょう。北容疑者としてもバレやすい場所であることは認識していたはずなので、後日、遺体を移動させることも考えたのではないかと思います。 また、成人向けビデオの撮影場所だといっても、連日使用しているわけではないはずです。そう考えると、北容疑者は撮影スケジュールを把握していて、直近では使わないことを知っていたのかもしれません。そうなると当然、犯行の計画性も出てきます」 謎はまだある。事件が発生したとみられる6月27日、防犯カメラには犯行現場に出入りする別の男性の姿も確認されており、事件との関係性が指摘されている。 「もちろん関与していた可能性はある。ただ、この手の共犯者が存在する事件では、二人を同時に逮捕することが通常です。今回、北容疑者だけを逮捕したのは、警察としてはもう一人の身柄を把握したうえで、逮捕に時間がかかると判断し、先に北容疑者だけを捕まえたのだと思います。 警察としては、北容疑者の勾留期限を迎える7月下旬までに共犯者を逮捕できる算段が立っているからこそ、今回、北容疑者だけの逮捕に踏み切ったのだと思います。そうでなければ、みすみす共犯者に『警察が調査しているぞ』とアピールするようなことをしないでしょう。真相究明は、そう遠くないのではないでしょうか」(同前) 2つの謎が残る怪事件。完全解明に向け、警察の取り調べは続く。

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