7日午前10時30分(現地時間)、米国ロサンゼルス(LA)の中心部から西に3.2キロメートル離れたマッカーサー・パークに、軍服姿で武装した移民当局要員が姿を現した。軍服には「国境巡察隊」や「国土安保捜査局」などと記されていた。 この日、地元紙「LAタイムズ」は「移民取り締まり要員が護衛車両を同行させてまるでハリウッド映画のように威勢を誇示しながらマッカーサー・パークを取り囲んだ」とし「彼らは馬と装甲車を動員し、小銃や戦術装備を携えていた」と伝えた。 移民当局要員は1時間にわたり公園に配置されたのち撤収したが、平日午前の閑散とした公園に武装要員がやってきて地域社会は衝撃を受けている。ソーシャルメディア上では馬に乗った連邦当局要員が公園を横切る姿をとらえた動画が拡散している。カレン・バスLA市長は市庁前で記者会見を開き、「我々の公園に連邦軍用車両があるのは衝撃的」としながら「彼らは子どもたちが遊ぶ場所を武装して横切った」と糾弾した。 この日移民当局がマッカーサー・パークで行った取り締まり作戦には軍用車17台と救急車4台、数十人の連邦要員らと約90人余りの州防衛軍が動員された。6月、LAで移民・関税執行局(ICE)の本格的な不法移民取り締まり作戦で、これに反発する都心デモが発生して以来、LAにはドナルド・トランプ大統領の指示で州防衛軍と海兵隊が留まっている。中央に大きな湖を湛えたこの公園は、付近に住むメキシコをはじめとするラテン系移民者が頻繁に訪れる場所だ。 LAタイムズによると、この日の取り締まりで逮捕された不法移民者がいるかどうかは確認されていない。これについて民主党所属のカリフォルニア州知事ギャビン・ニューサム氏は「移民者を怖がらせるための政治的ショー」と強く批判した。全米日雇い労働者ネットワーク(NDLON)の法律責任者クリス・ニューマン氏もAPに「これは取り締まりの程度を一層高めるというデモだった」とし「実際の取り締まりというよりはリアリティー番組のような演出だった」と指摘した。 同日、国土安保省のクリスティ・ノーム長官は1999年からホンジュラスとニカラグア出身者8万人に付与した臨時保護地位(Temporary Protected Status・TPS)措置を5日付で満了すると公告した。ノーム氏は「米国は1998年ハリケーン被害を受けたホンジュラスとニカラグアに対して1999年にTPS対象国家に指定して該当国家出身の住民による米国内在留を許可した」とし「両国政府が災害を克服するために必要なすべての措置を取ったと判断する」と強調した。 事実上、彼らが帰国しなかった場合、追放対象者リストに入れる可能性があると警告した形だ。ただし、実際に効力が発揮されるかは見守らなければならないという分析もある。トランプ政府が以前もハイチ国籍の50万人やベネズエラ国籍の35万人などのTPS終了を公式化したが、今月1日、裁判所はハイチ人のTPS満了にはブレーキをかけた。 不法移民者追放に関連して各種批判が起こり、一部ではトランプ政府で大規模不法移民追放計画を設計したホワイトハウスのスティーブン・ミラー大統領次席補佐官にも改めて注目が集まっている。ニューヨーク・タイムズ(NYT)は7日、「移民者取り締まりによって始まった抗議デモからこれを鎮圧するための軍事作戦まで、今回の事態はほぼ全面的にミラーが主導した結果だった」とし「ただしミラーの移民政策が人気を得られなかった場合、(トランプと)さらに深い亀裂が生じる可能性もある」と予想した。