「すご腕トレーダー」の運用で月利15~70%の利益を約束する投資話で現金をだまし取ったとして、警視庁生活経済課は10日、札幌市白石区の職業不詳、渡辺雄介容疑者(40)ら男女3人を詐欺容疑で逮捕したと発表した。2020年4月からの約2年半で133人から現金や仮想通貨(暗号資産)で計3億円相当をだまし取ったとみられる。 他に逮捕されたのは、川崎市中原区の派遣社員、井戸雅栄(49)と大阪市平野区のタクシー運転手、水野亜紀(49)の両容疑者。 逮捕容疑は、21年10月~22年9月ごろ、株の運用事業で毎月利益を出しているとうその説明をして、出資金名目で当時50代の東京都内の男女3人に現金計7950万円を振り込ませたとしている。警視庁は認否を明らかにしていない。 警視庁によると、井戸容疑者が異業種交流会などで「運用責任者は海外の大手証券会社出身のすご腕」と説明して出資者を募集。株や仮想通貨の運用で月利15~70%の運用益を約束したという。節税のため「個人間の金銭の貸し借りの体裁を取る」と説明し、水野容疑者名義の口座に現金を振り込ませていたという。 集めた金を運用した形跡はなく、大部分を渡辺容疑者が競馬や外国為替証拠金取引(FX)で使い込んだとみられる。水野容疑者は、渡辺容疑者の指示で毎月出資者に運用が成功していると虚偽のメールを送っていたという。【菅野蘭】