【AFP=時事】スペイン南東部の町トレパチェコを揺るがした異例の反移民暴動をめぐり10人が逮捕された。当局が14日、明らかにした。 68歳の男性がトレパチェコの路上で北アフリカ出身の若者3人に暴行されたと地元メディアに語ったのをきっかけに、3夜にわたって暴動が発生した。 ペドロ・アンヘル・ロカ町長はラジオ局カデーナ・セールに対し、ソーシャルメディアで住民以外を巻き込んだ衝突があおられ、道路施設が破壊されたり、車の窓ガラスが割られたりするなどの被害が出たと語った。 ムルシア州における中央政府代表のマリオラ・ゲバラ・カバ氏は、当局が衝突に加わった80人を特定したが、「多くは暴力犯罪の前科者で、その大半はトレパチェコ出身ではない」と述べた。 カバ氏は記者団に対し、68歳男性への暴行に関与した疑いで2人が逮捕され、スペイン人6人とモロッコ人1人が「口論、憎悪犯罪、器物損壊、秩序紊乱(びんらん)」の容疑で拘束されたと述べた。 フェルナンド・グランデマルラスカ内相はカデーナ・セールに対し、治安警察は暴動鎮圧のため90人の警官を配備しており、さらに増員する予定だと述べた。 「やつらを今すぐ国外追放せよ」という名前の極右団体が、北アフリカ出身者への攻撃を呼び掛けるメッセージをオンラインに投稿していた。 モロッコ移民統合協会は声明で、「路上での脅迫、攻撃、恐怖は終わりにしなければならない」と述べ、「被害を受けた人々への真の保護」を求めた。 ロカ町長は公共放送TVEに対し、トレパチェコの住民の30%は移民で、「20年以上住んでいる」と語った。移民は主に農場作業員として生計を立てているという。 スペインの在留外国人で最も多いのはモロッコ人で、最新の公式統計によると92万人を超えている。【翻訳編集】 AFPBB News