監禁中に詐欺電話かけさせたか 練習も、動画で撮影 取引先監禁致傷事件・警視庁

取引先の男性を約3カ月にわたり監禁し、全身に大けがをさせたとして建設業の大城優斗容疑者(24)ら男7人が逮捕された事件で、同容疑者が監禁中の男性に特殊詐欺の電話をかけさせていた疑いがあることが17日、捜査関係者への取材で分かった。 同容疑者は監禁時、男性に借金や保険の解約を迫り、計約200万円を受け取ったとみられている。警視庁捜査1課は同容疑者がさらに特殊詐欺で金を得るため、男性に電話をかけるよう指示した可能性があるとみて調べている。 捜査関係者によると、同容疑者のスマートフォンからは監禁中の様子を撮影した動画が複数見つかった。男性に暴行を加える場面のほか、詐欺の電話をかけさせたり、練習させたりする様子も映っていた。 同容疑者は昨年、受注した内装工事の代金を巡り、元請け会社とトラブルになった。男性は元請け側を代表して同容疑者と話し合いをしていたが、今年1月29日に東京都豊島区内の自宅から拉致された。4月30日に保護されるまで、ホテルやトランクルームなど計十数カ所に監禁され、熱湯を掛けられたり、ドライバーを突き刺されたりするなどの暴行を加えられたという。 男性は肋骨(ろっこつ)や腰の骨折、全身のやけどなど6カ月の重傷を負い、右目がぼやける後遺症も残った。保護された際は栄養失調状態で衰弱していた。「自分は監禁されていない」と話すなど、犯人と長い時間を共有した場合に好意や連帯感などを抱く「ストックホルム症候群」のような症状も確認されたという。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする