フィリピンでの事業の資金調達名目で、外国社債購入を国に無登録で勧誘したとして、警視庁生活経済課は金融商品取引法違反(無登録営業)の疑いで、フィリピンの金融関連会社「S DIVISION HOLDINGS INC.」(SDH社)の実質経営者、須見一容疑者(45)=兵庫県宝塚市武庫川町=ら男女9人を逮捕し、同社の社債を販売していた日本国内の代理店2法人を書類送検した。同課は認否を明らかにしていない。 令和3年以降、投資家ら延べ約2400人に対し、無登録で外国社債計約170億円分を販売したとみられる。 生活経済課などによると、須見容疑者は平成25年ごろからフィリピンの不動産や金融関連事業を始め、SDH社などを設立。代理店の営業員らがセミナーなどで「フィリピンは急速に経済発展していて投資先として魅力的」「最大年利24%」などとうたい、社債購入を勧誘していた。 令和5年、証券取引等監視委員会の申し立てを受けて大阪地裁がSDH社などに金商法違反行為の禁止・停止を命令。社債購入者への利払いは滞っていた。同課は詐欺容疑での立件も視野に、事業の実態を調べる。 逮捕容疑は令和3年6月~5年2月、無登録でSDH社の社債計約1億3千万円分の購入を9人に勧誘したとしている。