コカインを使用後に乗用車を運転し、追突事故を起こして重傷を負わせたとして、警視庁交通捜査課は14日、東京都江戸川区西葛西7のタクシー運転手、金子智光被告(26)を自動車運転処罰法違反(危険運転致傷)の疑いで再逮捕したと発表した。 再逮捕容疑は、7月5日午前9時5分ごろ、江戸川区船堀1の区道で、コカインの影響で正常な運転が困難な状態で乗用車を運転。信号待ちをしていた20代の自営業男性の軽ワゴン車に追突し、肋骨(ろっこつ)を折る重傷を負わせたとしている。事故を起こしたことは認める一方で、コカインの使用は否認しているという。 警視庁によると、金子容疑者は当時非番で、自家用車を運転。被害男性の車を約500メートル追尾していた。事故の前に2人の車は近くのコンビニ駐車場に止まっており、金子容疑者が何らかの理由で被害男性の行動に一方的に腹を立てたとみられる。 事故後に被害男性が110番する際、金子容疑者は「警察を呼ばないで。40万円払うからこの場で済ませよう」と発言。Tシャツの裏表を逆に着るなど不審な点があった。尿検査でコカインの陽性反応が出たため、麻薬取締法違反(使用)の疑いで逮捕され、その後起訴された。 警察庁によると、2024年に警察がコカインの所持や使用などで摘発したのは過去最多の586人で、20年の188人から約3倍に増加した。コカインを使用後の運転に危険運転致傷容疑を適用するのは全国で2例目。【菅野蘭】