楽天モバイルに行政指導 情報漏えい報告3カ月後れ、コンプラ不備も

総務省は19日、少年3人が楽天モバイルのシステムに不正ログインして通信回線を契約したとして2月に逮捕された事件に関し、同社に厳重注意の行政指導をした。顧客の個人情報が大量漏えいしたにもかかわらず、電気通信事業法が定める報告義務を怠っていたうえ、社内のコンプライアンス(法令順守)やリスク管理体制にも複数の不備が認められたとしている。 同社によると、少なくとも7002回線分の通話履歴やSMS(ショートメッセージサービス)送受信履歴などが閲覧された可能性がある。矢沢俊介社長は行政指導後、報道陣に「社内体制の再度の見直しや今後の再発防止に全社を挙げて対策する」と述べた。 電気通信事業法では「通信の秘密の漏えい」が生じた場合、事業者は遅滞なく総務省に報告し、30日以内に原因などを含めた報告書を提出する義務がある。だが同社からの第一報は少年らの逮捕後3カ月以上たった6月17日で、報告書の提出は7月15日付だった。 また、総務省が同社に聞き取り調査をしたところ、重大インシデント対応についての社内規定やマニュアルに不備があったほか、取締役会や担当取締役への報告がないなど、改善が必要な点が複数あった。 事件を巡っては、警視庁が2月27日、独自に入手したIDとパスワードをもとに生成AI(人工知能)を用いて自作したプログラムで楽天モバイルのシステムに不正ログインし、通信回線を不正に契約したとして、14~16歳の男子中高生3人を電子計算機使用詐欺の疑いで逮捕したと発表した。【町野幸】

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