神戸で24歳の女性が刺されて殺害された事件。逮捕された男は50分以上にわたり、女性の後をつけていたとみられることが明らかになりました。読売テレビは、尾行とみられる映像を入手。足取りから見えてきたこととは。 24歳の女性が突如、刺されて死亡した殺人事件は、発生から2日後に急展開を迎えました。 兵庫県警・大上 捜査一課長 「被疑者を殺人の疑いで通常逮捕しました」 瀬川裕大 記者 「いま、谷本容疑者が捜査員に囲まれながら、JR新神戸駅の階段を降りてきました」 殺人の疑いで逮捕されたのは、東京都新宿区の会社員、谷本将志容疑者（35）。調べに対し、「殺意を持っていたかはわかりませんが、ナイフで腹部のあたりを1回か2回くらい刺したことに間違いありません」と容疑を一部否認しています。 的井文謙 記者 「谷本容疑者は、JR奥多摩駅で電車で降りた後、駅から5キロほど離れたこちらの道で確保されました」 事件後、現場を立ち去り、行方をくらましていた谷本容疑者。確保されたのは、現場から約400キロ離れた東京都奥多摩町でした。 確保された際の様子を目撃した近くの人は…。 谷本容疑者の“確保”を目撃した人 「車庫の方から声がしたので見たら、警察の方が何人かいて、男の人が叫んでいたという感じ。刑事の人が押さえていた。押さえていたのは4～5人だった」 8月20日、神戸市中央区のマンションで、住人の片山恵さんが胸などをナイフで複数回刺され殺害された事件。 捜査関係者によりますと、谷本容疑者は事件の3日前から現場近くのホテルに宿泊していたということですが、犯行前後の足取りも少しずつ明らかになってきました。 犯行当日、午後6時半ごろに職場を後にした片山さん。 山口杏奈 記者 「職場付近の防犯カメラには、谷本容疑者が片山さんの後をつけている様子が映っていたということです」 読売テレビが入手した映像には、片山さんとみられる女性が映っています。そして、その女性が通過した約10秒後。谷本容疑者とみられる男が尾行している様子が映っています。 職場の西にある神戸中央郵便局に向かった片山さん。その後、阪神電鉄・西元町駅から電車に乗車。神戸三宮駅で降車後、近くで買い物をし、再びポートライナーに乗車。駅から自宅へ徒歩で帰宅しています。 この間、同じ電車に乗るなど、少なくとも50分以上にわたり、谷本容疑者が片山さんの後をつけていたとみられることが、複数の防犯カメラなどからわかったということです。犯行後、マンションを出た谷本容疑者は、駅や繁華街がある北の方向に。 山口杏奈 記者 「現場近くのこちらの駐車場で、血の付いた刃物が見つかったということです」 1時間以内に新神戸駅から新幹線に乗車し、東京方面へと向かっていました。警察は全国に指名手配するなど行方を捜査。発生から3日目の逮捕へと至りました。 谷本容疑者の勤務先の社長は、8月17日から21日まで休暇をとった谷本容疑者が戻ってこなかったため、メッセージを送ったといいます。 容疑者の勤務先の社長が送ったメッセージ 「谷本くんの今の行動は、社会人として認められません。帰れない事情があるなら、連絡ください」 しかし、返事はありませんでした。 容疑者の勤務先の社長 「僕は自分の子供のように接していたんですが、一報を聞いてショックしかありません」 谷本容疑者の小・中学時代の同級生は…。 小・中学校時代の同級生 「普通に真面目でいいやつだった印象ですね。集団でいると、おとなしめな感じではありましたね」 （Q:学生時代に女生徒とのトラブルなどは？） 「全然なかったです。むしろそういうのにあまり縁がないような奥手なタイプの人だったと思います」 捜査関係者によると、谷本容疑者は片山さんについて「まったく知らない人です」と供述していて、警察は面識がなかった可能性があるとみて捜査しています。 いったいなぜ、片山さんを狙ったのか。警察は動機などを詳しく調べています。